いきいきらいふ

入居者同士で 助け合い
―前橋のコレクティブハウス― 新たなライフスタイルに

少子高齢化や核家族化などで社会構造が大きく変化する中、新たなライフスタイルとして「コレクティブハウス」が注目されている。賃貸住宅の入居者同士が、共用スペースで触れ合い、親密な関係を築きながら生活し、助け合いへと発展していく。県住宅供給公社が4年前、前橋市元総社町にオープンしたコレクテイブハウス元総社を訪ねた。

居住スペースが並ぶコレクティブハウスの1階部分。 南側には草花が植えられている(写真右)

高齢者施設や保育園併設

コレクティブハウスは、1970年代に北欧のスウェーデンやデンマークで生まれた住まい方で、現在は北米などを中心に世界中に広まっている。もともと仲間や親しい人同士が共同で生活するというものだったが、わが国では首都圏を中心に賃貸住宅の新たな形態として、徐々に広がっている。

コレクティブハウス元総社は、北側にある県営住宅と一体的に計画し、建設された3階建て集合住宅の1階部分にある。2~3階はサービス付き高齢者向け住宅で、1階には高齢者デイサービスセンターと0~3歳未満児の保育園を併設している。

コレクティブハウスについて話す森下課長

県住宅供給公社事業部の森下課長によると、少子高齢社会、家族形態の変化、急増する単身者、女性の社会進出などを背景として、多様化するライフスタイルに対応した住まいづくりを目指してコレクティブハウスを設置したという。居住戸数は12戸で、このうち9戸に30~80代の単身者やファミリーが暮らしており、3戸が空室になっている。

食事会などで交流深める

入居者が集うコモンスペースには、システムキッチンやテーブル、いすなどが備えられ、交流を深めることができる

コレクティブハウスの特色は、各世帯の独立した居住空間に加えて、キッチンや食堂・リビングなどを備えた「コモンスペース」と呼ばれる共用部分が整備されていることだ。入居者たちはコモンスペースを利用することによってコミュニケーションが生まれ、世代間の交流が深まる仕組みになっている。

コレクティブハウス元総社の各居住スペースは、廊下続きで一直線に並んでおり、その中央付近にコモンスペースとランドリーが設けられている。同スペースにはシステムキッチンのほかに、食器棚やダイニング用のテーブル・いすなどを配置し、共用のパソコンも置かれている。

キッチンやバス、トイレが完備された明るく快適な居住スペース

入居者たちはここで月1回、当番制で作った料理で食事会を行ったり、定例の集会を開いたりして意思疎通を図っている。「各居住スペースにはバス、トイレのほかキッチンも付いていますが、コモンスペースを自由に使って、大勢の仲間と調理や談笑を楽しんでいる人もいるようです」と森下さん。管理運営は自分たちで行っており、共有スペースの玄関や廊下などの清掃やごみの片付けは交代制になっている。

入居者の声はさまざまだが、「雑用を分担できるので助かる」「話し相手ができて孤独感から解放された」「みんな顔見知りなのでセキュリティーも安心」といった内容が多いという。森下さんは「病気になったとき、互いに看護や介護が行える関係が生まれてくれれば」と期待を寄せる。まだまだ認知度の低いコレクティブハウスだが、多くの人にとって「いきいきライフ」の強力な助っ人になりそうだ。