TOP > 歯の健康情報 > 入れ歯をご利用のあなたへ
歯周病が糖尿病を悪化させる!?(2012/4/10)  

現在、日本の糖尿病人口は、約一千万人といわれています。糖尿病になると、いろんな合併症、特に細菌やウィルスに感染しやすくなることはよく知られています。これにはいくつか、理由が考えられます。まず、高血糖の状態になると細菌等が繁殖するための栄養が十分となります。また、血液中の糖が増加する反面、逆に組織や細胞が低栄養状態になり、白血球や細胞による免疫機能自体が低下します。さらに高血糖になると、血液がどろどろしてくるため、流れが滞りやすくなります。すると、特に血管が細い指先や歯ぐきといった末梢へ、酸素や栄養分が十分送られなくなります。そのため、その部分の細胞の活動が低下したり、また必要な白血球等が送り込まれず、感染に対し無防備になります。そして、痛みを感じる神経も障害されるため、皮膚の傷等に気づくのが遅れ、これも感染を悪化させる原因となります。以上により、「糖尿病になると細菌に感染しやすくなる」ということはご理解いただけたと思います。歯周病も歯周病の原因菌による炎症で、進行すれば歯を失う結果となります。  また最近では、これまでと逆に「免疫システムが働くことにより、糖尿病がさらに悪化する」という事実が特に注目されるようになってきました。つまり、「歯周病が糖尿病を悪化させる」ということが解明されてきたのです。この点をもう少し詳しく説明します。歯周病があると、その原因である歯周病菌と戦うため、免疫細胞の一種である好中球(白血球の一種)やマクロファージが現れます。好中球やマクロファージが歯周病菌に接触すると、自分の仲間を呼び寄せたり、仲間の戦力を増強させるため、細胞間の情報伝達物質であるサイトカインを作ります。サイトカインには色々な種類がありますが、特にTNFーα(別名:炎症性サイトカイン)というサイトカインが問題となります。このサイトカインは、細菌の侵入を仲間の免疫細胞に知らせたり、免疫細胞を活性化する一方で、血糖値を下げる働きをもつインスリンの効きを悪くするという困った作用をもっています。これにより、糖尿病の症状がさらに悪化する、そして歯周病がさらに悪化する、という悪循環が生まれます。ちなみに、TNFーαは脂肪細胞からも盛んに分泌されるため、肥満の方は糖尿病になる可能性が高くなります。また、この物質は動脈硬化や関節リューマチをも悪化させますから、いわば合併症を作る因子ともいえます。糖尿病と歯周病を併発している場合には、血糖値を正常範囲内にコントロールすることはもちろんですが、併せて歯周病を治療することがとても重要だと考えられています。 (情報提供 /群馬県保険医協会)

このページに関する問合せは
E-mail:adsystem@mail.wind.ne.jp
URL:http://www.jomo-news.co.jp/jomo-ad/