TOP > 歯の健康情報 > こどもの食べ物と顎・咀嚼の発育
こどもの食べ物と顎・咀嚼の発育(2016/04/01)  

 「今の子供達はやわらかい食べ物ばかり食べているから、顎が小さくなって、歯並びが悪くなった」と言う説を、お聞きになった事があると思います。そして、顎を発育させる為に、硬いものを食べさせると良い、とよく言われています。確かに、顎全体の成長発育にとって、良く噛むことが、非常に大事であるのは事実です。
 しかしながら、歯並びと食物の硬さの関係は、専門機関の研究や調査では、否定的な見解が出されています。つまり硬い物を多く与えても、歯並びへの影響は少ない、と言う結論になります。
 それでは、噛みごたえのないやわらかい物だけを食べていて、何の問題もないかといえば、それは違います。噛んで食べる、咀嚼は、生まれつき備わっているものではなく、学習して得られるものなのです。咀嚼は離乳から始まり、口の機能の発達に合わせて、食べ物の性状を変えていかなければなりません。最初は、液状に近いものから、徐々に固形物にして、噛んで食べる、と言う一連の動作を、脳に学習させ、咀嚼は完成されます。
 ですので、最初から硬い固形物を与えることや、噛める能力が備わってきているのに、いつまでも柔らかいものを与え続けると、正常な咀嚼のリズムが学習されず、幼児期の「かめない子」「かまない子」の問題が出てきます。
 幸い、これらの子どもたちも学童期に近くなると、遅ればせながら日常の食生活の中で学習し、それ以降の咀嚼に大きな問題は出る事はありません。でも、柔らかいものを好んで食べる習慣が生涯を通して続くと、全身的には、運動能力の低下や肥満の誘発、更には脳への刺激の低下が指摘され、年老いてからの認知障害の進行との関係も疑われています。
 このように、適度に硬い物を良く噛むと言う事は、全身の発育にとって、極めて重要な行為ですので、正しい離乳は無論の事、普段からの食事形態にも配慮が必要です。ハンバーガーやインスタント食品等のファストフードは手軽で便利ですが、その分、咀嚼回数が少なくなりがちです。これに比べ、ご飯や野菜の煮付け等を中心とする和食の咀嚼回数は多く、三度の食事総てを和食にする事は難しいかもしれませんが、せめて一度は取り入れて頂けたら思います。
 特に、こどもたちには、小さい時から和食の味に慣れ親しむことが大切と考えます。ご飯に味噌汁、魚か肉のメインのおかずに、野菜の煮付けやヒジキなどの副菜の一汁三菜の和食は、栄養のバランスだけでなく、咀嚼にも良いからです。

(情報提供/群馬県保険医協会)

このページに関する問合せは
E-mail:adsystem@mail.wind.ne.jp
URL:http://www.jomo-news.co.jp/jomo-ad/