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群馬県のニュース

4日からJRダイヤ改正 高崎―新前橋駅間の運転本数17本削減 

更新日時:2017年3月4日(土) AM 07:00
 3月4日に改正されたJR東日本のダイヤ改正で、これまで高崎駅(群馬県高崎市)を始発終着としていた上越線と吾妻線の電車のうち、日中を中心に一日あたり17本の電車が、始発終着駅を高崎駅から北東約7キロ離れた新前橋駅(前橋市)に変更された。

 両毛線、上越線、吾妻線の3路線が乗り入れる高崎―新前橋駅間の運行見直しを受けたもので、上越線、吾妻線の一部電車の運行区間を短縮させ、高崎駅ではなく、手前の新前橋駅始発とすることで運転本数の適正化を図る。今回の見直しで高崎―新前橋駅間の運行本数は減少するが、上越線、吾妻線そのものの運行本数に変わりはない。JR東日本高崎支社は、利用者減を踏まえた措置と説明し、「お客さまの要望と利用実態を基にして、今後も運行本数を見直す」と話している。

◎少子化、利用者減に対応、上越、吾妻線の始発を新前橋に
 高崎ではなく、新前橋始発として運行区間を短縮するのは、上り9本(上越線4本、吾妻線5本)、下り7本(上越線4本、吾妻線3本)。運行区間を短縮するのは、上りは午前8時台前半~午後1時台、下りは午前9時台後半から午後4時台前半にそれぞれ出発する電車が中心。乗客の利便性を損なわないように、利用客の多い通勤通学時間帯に運行する電車は対象外とした。

 運行区間を短縮する時間帯は、高崎から水上、長野原草津口駅方面に向かう場合、ほとんどの場合が新前橋駅で乗り換えが必要となることから、新前橋駅で短時間で乗り換えできるようにダイヤを調整をしたほか、乗り換える双方の電車を隣接ホームに停車させ、乗降の手間を軽減した。水上、長野原草津口駅方面から高崎に向かう乗客は、終着の新前橋で降り、両毛線に乗り換えて高崎に向かうことになる。

 運行区間の短縮に踏み切った理由について、同支社は乗客数の減少を挙げている。各路線の乗降客をキロ数を割った一日当たりの「平均通過人員」でみると、両毛線、上越線、吾妻線の3路線が乗り入れる高崎―新前橋駅間の人員は、およそ30年前の1987年度は33593人に対して、2015年度は38749人と増えている。

 その一方、上越線渋川―水上駅間は、1987年度は6453人だったのに対して、2015年には約4割減の3850人に減少した。また1987年度には4506人だった吾妻線渋川―長野原草津口駅の平均通過人員は、2015年度は3043人にまでに落ち込んでいる。

 今回本数が削減された高崎―新前橋駅は2015年の時点で約200本の運行があり、一日あたりの平均通過人員が中央線高尾―甲府駅とほぼ一緒。その反面、高尾―甲府駅の運行本数は、高崎―新前橋駅の半分にあたる100本となっており、「過剰な運行本数」として、両毛線、上越線、吾妻線の3路線が乗り入れる高崎―新前橋駅の運行本数の見直しを検討していた。

◎「車王国ぐんま」 利用者減少に歯止めかからず
 鉄道利用者の減少傾向は、少子化の進展とともに全国各地に広がっている。「不便になる」「致し方ない」―。利用者減少を踏まえた上越線と吾妻線の一部電車の始発駅変更に、群馬県民から戸惑いの声が上がった。一定の理解を示す一方、ググっとぐんま観光キャンペーンなど県外から訪れる観光客へのマイナス影響を懸念する声もあった。

 前橋市の会社員の男性(43)は「高崎と新前橋駅を往復する電車が一日あたり10本以上減ることは、間違えなく不便」と声を荒げた。前橋市の無職の女性(70)は「普段電車をあまり乗らないのが実情だが、在来線で水上や草津に向かう乗客は、高崎以外に新前橋でも乗り換えをしなくてはならないかもしれない。せっかく来てくれるお客さんに不親切ではないか」と表情を曇らせた。

 沼田市の会社役員の男性(44)は、高崎に向かう際は、沼田駅前の駐車場不足などを理由に、電車ではなく、自家用車を利用している。今回の見直しを受け「在来線が、不便でいっそう使いずらくなる。今後、新前橋を始発とする電車が増えるのなら、上野東京ラインや湘南新宿ラインなど、東京方面に向かう電車を新前橋まで延伸してほしい」と要望した。

 また藤岡市の女性(42)は、「人口減少社会が進めば、単純に乗る人が少なくなる。不便さは受け入れなければいけない」と印象を語った。

 群馬県が2015年11月に実施したパーソントリップ(PT)調査によると、群馬県民が屋外を移動する場合、徒歩や自転車などの二輪車を主な交通手段に使用する割合は2割弱にとどまっている。「車王国ぐんま」とも称される群馬県では、家族全員が車を所有する世帯も多く、近場への買い物など100メートル未満の移動の場合でも4人に1人が自動車を利用するなど、日常の生活場面で、公共交通機関を使わず、車への依存の傾向が高まっている現状がある。

 国交省が2009年にまとめた貨物旅客地域流動調査分析資料によると、車依存が進む群馬県内において、JRの利用者は群馬県民の2%。人口減少社会に向けて、JR北海道など、すでにJRグループ各社は地方路線の駅の廃止や、減便などを打ち出しており、鉄道利用者の半数は学生を占める現状では、「少子化の進展とともに、乗車人数が少ない路線の運行縮小は、経営判断としてやむを得ない側面もある」(同支社)と話している。

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。

3月4日から、日中時間帯を中心に、上越線と吾妻線の始発駅となったJR新前橋駅

 

4日から上越線、吾妻線の一部電車の始発駅となる新前橋駅のコンコース。ダイヤ改正で電光表示板の表記も変わる=3月3日午後2時半ごろ、JR新前橋駅