文字サイズを変更する
小
中
大
 

群馬県のニュース

歴史物語る 松蔭形見の短刀 31日から前橋文学館で公開 

更新日時:2017年3月29日(水) AM 06:00
 前橋市は28日、市に寄託された幕末の思想家、吉田松陰の形見と伝わる短刀が、松陰のものと確認されたと発表した。松陰の妹で初代県令、楫取素彦かとりもとひこの妻、寿ひさが、生糸の販路開拓のため米国へ渡る桐生出身の実業家、新井領一郎に贈ったもの。幕末から明治の歴史を物語る貴重な品として注目されそうだ。

◎子孫のティムさん「刀に松陰の魂」
 市によると刀は全長42センチ。室町時代のやりを後年、短刀に作り直したとみられる。領一郎の子孫で米国・カリフォルニア在住のティム新井さん(57)が市に寄託した。

 短刀の存在は、領一郎の孫で戦後駐日大使を務めたライシャワー氏の妻、ハル・松方・ライシャワーさんが1987年に出版した「絹と武士」で触れていたが、詳しい所在は分からなかった。

 しかし、2015年4月、記述と似た短刀がティムさん宅にあることが判明。寿が領一郎に短刀を贈る場面を再現した銅像が16年8月、前橋公園に建てられたのを機にティムさんが市に預けた。市が専門家の協力を得て鑑定し、「刀の銘が本の記述と一部一致」「制作年代も一致」「外部に流出した形跡がない」ことなどから本物と判断した。

 市役所で記者会見したティムさんは「刀には松陰の魂がこもっている。多くの人に見てほしい」と願った。楫取の子孫、能彦さん(70)=東京都狛江市=は「領一郎が楫取に贈った肖像画も県立歴史博物館にある。短刀も群馬に戻ったことは不思議だ」話した。

 短刀は前橋文学館で31日~5月7日に一般公開する。同館で31日午後1時から、ティムさん、能彦さんらによる講演を行う。定員100人。申し込みは同館(電話027-235-8011)へ。

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。

幕末の思想家、吉田松陰(1830~59年)の形見と確認された短刀。前橋文学館で31日から一般公開される

 

記者会見するティム新井さん(右)と楫取能彦さん