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群馬県のニュース

《ぐるっと点検ぐんま》廃校の活用 過疎地に雇用で光を 

更新日時:2017年8月14日(月) AM 06:00
 人口減少や山村の過疎化の影響で、直近20年間に県内の公立小中学校80校以上が廃校となっている。市町村は企業や市民団体と連携して跡地活用を進め、英語や小型無人機「ドローン」を学ぶ場に生まれ変わったり、魚の養殖場などが計画されている。一方で「施設が大き過ぎる」「老朽化が著しい」と、活用に苦慮するケースも少なくない。

■広い建物生かす
 「チャコール(炭)」「イン ザ バッグ(袋の中へ)」。外国人講師が英単語を発音しながら、炭で水をろ過する実験の手本を見せる。前橋荒牧小4年の志塚悠真君(10)は「ウオーターって言ったのが聞き取れた」と笑顔を見せた。

 児童の減少で2015年3月で閉校した旧前橋嶺小は今年4月、中央カレッジグループ(前橋市)が運営する英語学習施設、イングリッシュビレッジMAEBASHI(英語村)として本格開校した。

 各教室は「空港の入国審査」「ホームステイ先の部屋」「ファストフード店」などと仕立てられ、下田尾誠村長は「海外のさまざまな状況を事前に練習できる。教室がたくさんあるおかげ」と廃校の利点を強調する。

 広い校庭と体育館は、ドローンの練習に適している。建設業の経営者らでつくる利根沼田テクノアカデミー(沼田市)は5月、旧沼田平川小にドローン技能訓練校を開校。起業家や建設業従事者が操縦を学ぶ。桑原敏彦校長は「建設業や観光、農業などドローン活用の幅は広がっている。操縦者の養成の場として重要」と話す。藤岡市内の二つの旧小学校も民間企業がドローン操縦の指導や機器調整に活用している。

 旧みどり神梅小は民間企業によって校舎内でトラフグとヒラメの養殖、レタスの水耕栽培、校庭でカキとマンゴーの栽培に活用される計画だ。雇用創出も期待され、地元17区長の須藤正美さん(70)は「過疎地域にとって明るい話題。働く場があれば若者も生活できる」と喜ぶ。

■耐震性に課題
 桐生市は最近20年で10校が廃校となり、大半は福祉センターや公民館として使われているが、市街地にある旧昭和小は未利用のまま。「建物が大き過ぎると活用法を見いだすのが難しい」(同市)という。「交通の便が悪くて集客施設に向かない」(藤岡市)、「老朽化が進み、耐震性能が低い」(安中市)との悩みもある。

 民間に貸し出していた廃校が5月に火災で焼失した南牧村は「古い木造校舎は燃えやすい。貸し出す市町村は防火対策に十分注意した方がよい」と指摘する。

◎全国230校 情報文科省が公開
 廃校の有効活用促進のため、文部科学省は「未来につなごう みんなの廃校プロジェクト」を打ち出し、企業や市民団体が利用可能な廃校230校の情報を同省のホームページで公開している。

 群馬では中之条町が旧西中など3校、桐生市が旧養護学校1校の面積や建物の構造を紹介し、「自然に恵まれた立地であり、周辺環境と調和を」などと条件を示している。北海道は50校、福島県が19校と多い一方で、東京都と埼玉、神奈川両県は提示がなく、地域差がある。(斎藤洋一)

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。

外国人講師の英語を聞きながら科学の実験をする子どもたち=イングリッシュビレッジMAEBASHI

 

近年の主な廃校活用例