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群馬県のニュース

首飾りの10代人骨 甲人骨と同一集団か 渋川の遺跡 

更新日時:2017年5月30日(火) AM 06:00
 群馬県埋蔵文化財調査事業団は29日、地域首長の政治・祭祀拠点とみられる遺構が見つかっている古墳時代後期の金井下新田遺跡(渋川市金井)で、首飾りをした人骨が見つかったと発表した。古墳以外の遺跡で首飾りをした人骨が出土する例は極めて少なく、県内では隣接する金井東裏遺跡に次いで2例目。専門家は、祭祀行為に携わる地位の高い人物で、金井東裏遺跡で出土したよろいを着た人骨と同族だった可能性を指摘している。

 人骨は、5世紀後半と推定される竪穴建物跡で発見された。10代とみられ、性別は不明。歯と上腕、大腿だいたい部と推定される骨が残り、首の位置から勾玉まがたまや管玉で構成される首飾りが出土した。首飾りは弧を描いて土中に続いており、事業団は首に掛けられた状態だったと判断した。

 金井下新田遺跡と同様に、6世紀初頭の榛名山噴火で被災した金井東裏遺跡では、首飾りをした成人女性や甲を着た成人男性、乳児など4体の人骨が見つかっている。金井下新田遺跡では昨年秋に人の歯が出土。県立歴史博物館長の右島和夫さん(68)は今回見つかった人骨を含めたこれら6人について「一つの祭祀行為の下に結束する同一の集団に属していた可能性がある」と指摘した。

 事業団は同日、竪穴建物のように地面を掘らず、地上に直接建築した「平地式建物」の炭化した屋根などや、鍛冶遺構とみられる建物跡が見つかったことも明らかにした。

 平地式建物跡は火砕流で倒壊した際に柱や桁、垂木、はり、シノ、カヤなどが炭化し、残ったとみられ、屋根がシノやカヤでふかれていたことなどが明らかになった。屋根などの上部構造が復元できる良好な状態で、こうした出土は国内初とみられる。

 奈良文化財研究所の箱崎和久さん(46)は「平地式建物の上部構造はこれまで民俗事例などから想像するしかなかった。具体的な遺物が出土したことは大変貴重だ」と評価した。金井下新田遺跡は、上信道金井バイパスの建設工事に伴い、2014年度から発掘調査が行われている。金井東裏遺跡の約600メートル南で、これまでに大型竪穴住居や馬の骨なども見つかっている。

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。

金井下新田遺跡で見つかった人骨や首飾りなどの出土品

 

 

地上に直接建築した「平地式建物」の炭化した屋根など