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群馬県のニュース

前橋育英 悲願持ち越し 高校サッカー準優勝  

更新日時:2017年1月10日(火) AM 06:00
 【埼玉=本紙取材班】第95回全国高校サッカー選手権最終日は9日、さいたま市の埼玉スタジアムで決勝を行い、群馬県代表の前橋育英は青森山田(青森)に0―5で敗れた。2大会ぶり2度目の決勝に挑んだ育英は序盤こそ押し気味に試合を進めたが、攻守にタレントがそろう青森山田に次第にペースをつかまれ、高い決定力に屈した。県勢初の選手権制覇の悲願は再び、来年以降に持ち越しとなった。

◎先制機生かせず 青森山田に0―5
 育英は立ち上がり、FW人見大地(3年)、FW飯島陸(2年)らが前線でしつこく寄せ、ボールを奪うと素早く展開。15分にMF高沢颯(3年)が青森山田GKと一対一になり、26分にはセットプレーからゴール正面のMF大塚諒主将(同)がフリーでシュートを放つなど、前半は好機を多くつくったが決めきれなかった。逆に23分、右サイドから攻め込んだ青森山田に先制を許すと、アディショナルタイムにも追加点を奪われ、0―2で折り返した。

 後半も粘り強くボールを追い、サイドバックに位置を変えて積極的に攻撃参加したDF松田陸(2年)、大塚主将らが惜しいシュートを放つ場面もあったが、ゴールには結び付かなかった。一方、高い個人技を持つ青森山田のFWに12分、14分と立て続けに得点され、リードを広げられると、最後まで走り続けたものの劣勢を覆すことはできなかった。

 育英は在校生や保護者、教職員ら関係者約1700人がバス45台を連ねてスタジアムに駆け付け、ユニホームカラーの黄色と黒の小旗やタオルを振ってピッチを駆けめぐる選手を後押し。歓喜の瞬間を迎えることはできなかったが、試合終了のホイッスルまで声援を送り続けた。

◎前橋育英 悔し涙
 9日にさいたま市の埼玉スタジアムで行われた高校サッカーの第95回全国選手権決勝で青森山田(青森)と対戦した前橋育英は、前線からのプレスと華麗なパスワークでゴールに迫りながらも決定力を欠いた。前半16分にGKとの1対1を逃すと同23分に今大会初失点を喫し、前半を0―2で折り返した。後半は選手を交代しながらチーム全体の運動量を上げたが、ゴールが遠く0―5で悲願の初優勝は持ち越しとなった。

 ▽決勝
青森山田 5(2―0)0 前橋育英
      (3―0)

▽得点者【青】高橋、嵯峨、鳴海2、佐々木快
(青森山田は初優勝)

 ○…前橋育英は、決定力で上回った青森山田に敗れた。前半5分、CKから人見がヘディングシュートを放つも、相手DFが阻止。その後もボールを支配する展開が続いたが、前半16分に高沢がGKとの1対1を止められるなど、再三好機をつくりながらも得点には至らず。前半23分に先制点を許すと、アディショナルタイムにさらに1点を失い0―2で折り返した。

 後半も高沢のクロスを大塚が頭で合わせるなどして反撃を試みたが及ばず、逆に3点を奪われた。

◎どん底からチーム再生
 「たら」「れば」を言い出せば切りがないが、前半に少なくとも3度あった決定機のうち一つでも決めていれば違う展開になっていたかもしれない。「ポゼッションの質が高く最初の危機はうちだった」と敵将も認めたように、前橋育英は立ち上がりの20分間は主導権を握った。だが、相手より1本多い9本のシュートを放ちながらも最後までゴールを割れず。課題だった決定力の差が勝敗を分けた。

 どん底からここまで来た。山田耕介監督が「力がないわけではない」と認めていた今チームは4月に開幕した高円宮杯U―18プリンスリーグ関東で4連敗。県総体とインターハイ予選で初戦敗退して公式戦6連敗を喫した。トップチームのふがいない結果に「メンバーも、メンバーに入れない選手もストレスがたまる一方だった」と振り返るMF長沢昂輝。チームは空中分解寸前で組織として戦うどころではなかった。

 チームを一からつくり直すため、指揮官はスタッフと152人の全部員によるミーティングを敢行。10人前後のグループに分け、サッカーのことから私生活のことまで互いに思っていることをぶつけた。話し合いは約1カ月間に及んだ。

 紅白戦を増やし、メンバーの入れ替えを頻繁に行ったことでチームが活性化。各選手をさまざまなポジションで試し、最適な組み合わせを模索する日々が続いた。迎えた8月、石川で行われた和倉ユース大会の準決勝で浦和レッズ、決勝で東京ヴェルディを下して優勝。ようやく光が見えた。

 「やればできる」。失った自信と誇りを取り戻した選手たちは、徹底してコンビネーションを磨いた。攻撃では相手の守備陣形を見ながらサイドなのか中央なのか、裏なのか。守備では空いたスペースを誰が埋めてどこでボールを奪うのか、といったイメージを全員で共有していった。

 磨き上げたコンビネーションは今大会で花開いた。2回戦ではインターハイ王者の市船橋(千葉)に対して前線からの連動したプレッシングで0点に抑え、PKで撃破。決勝の高校年代最高峰のプレミアリーグ王者に対しては多くのチームが引いてカウンターを狙う中、積極的にボールを奪いにいってパスをつなぎゴールに迫った。自分たちのスタイルを貫いた。

 試合後のロッカールームで、山田監督は「胸を張って帰ろうぜ」と話した。試合後の選手たちは思わぬ大差にショックを隠しきれない様子だったが、この悔しさを糧にさらに強くなるだろう。4134校のうち2校しかたどり着けない決勝の舞台まで一歩一歩階段を上り、一番短かった夏から一番長い冬にしてみせたのだから。(佐藤秀樹)

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。

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青森山田に敗れ、悔し涙を流す前橋育英イレブン=埼玉スタジアム

 

前橋育英-青森山田 前半、懸命に守る育英のMF高沢(9)と長沢(6)=埼玉スタジアム