文字サイズを変更する
小
中
大
 

群馬県のニュース

農業委員会が公選から任命制度に 大半移行も戸惑い 

更新日時:2017年3月19日(日) AM 11:00
 改正農業委員会法施行に伴い本年度始まった農業委員会の新制度で、農業委を設置する県内34市町村の大半が今夏までに新たな枠組みに移行することが分かった。新制度は公選制をとりながら委員が事実上の「名誉職」となっていた状況を改め、農地利用の集約化や新規参入を促すのが狙いだが、現場では戸惑いも出ている。

 県農業構造政策課によると、市町村では従来の委員の任期(3年)が終わるのに合わせて新制度への移行が進む。公選制をやめ、市町村長が議会の同意を得て委員を任命する仕組みに変更。併せて農業委が委嘱する「農地利用最適化推進委員」を新設する。農業委が手掛ける事務の柱に、担い手への農地利用の集約化や耕作放棄地の発生抑止、新規参入の促進などを据える。

 本年度は既に渋川、富岡、安中、みどり、神流、甘楽、東吾妻、昭和、みなかみの9市町村が新制度に移行。2017年度は、7月に20市町村が移行するなど同年度内に累計33市町村が移行を終え、18年7月に任期満了の明和町を残すのみとなる。農業委は一定の農地面積に満たない自治体は設置義務がなく、上野村には存在しない。

 制度移行で、農業委は定数を従来の半分程度にしながら、権利移動の許可や農地集積計画などを決める「合議体」としての役割に集中する。任命に際しては、年齢や性別に著しい偏りが生じないよう、若い世代や女性の積極登用も進める。

 新設の推進委員は、区域内の農地面積に応じて定数の上限が設定される。7月に新制度への移行を予定する前橋市は、現行46人の農業委員定数が「24人以内」となる一方、53人以内の推進委員を委嘱する。市農業委事務局は「現場で活動する人が増えるため、実質的には農業委員会の活動は充実する」とみている。

 ただ、移行を終えた市町村からは推進委員選びや運用で難しさを感じる声も。委嘱条件は「農地利用の最適化の推進に熱意と見識を有する者」とされているが、ある農業委事務局は「手を挙げる人はなく、若手もいない」と肩を落とす。

 みなかみ町の最適化推進委員となった中島続さん(73)は地域を巡回する中で耕作放棄地の多さを改めて実感したとし、「年を取って農業をやめたり、土地を離れた人がたくさんいる。国の対策が遅すぎたのではないか」と受け止めている。

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。