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《センバツ・紫紺への決意》健大高崎 機動破壊 走るノウハウ浸透 

更新日時:2017年3月15日(水) AM 05:33
 決定機につながる三盗を成功させるために何が必要か―。健大高崎が機動力野球を2軍戦で試し始めた9年前、発案した葛原毅コーチはそれを切り札にしようと考えた。結論はシンプル。「思い切って走る」。今や野球界で知らぬ人はいない、「機動破壊」の原点だ。

 重視したのはスピードよりスタート。塁上で投手の動きをよく見る。盗む。考えを読む。気持ちで優位に立つ…。「思い切って」の部分を理屈にしていく中で、はたと気が付いた。「二盗も同じだな」

 突き詰めてマニュアルにした2011年夏の群馬大会、健大は一大会の最多記録(当時)を二つ上回る28盗塁で初優勝を飾る。そして初出場の甲子園でそれをさらに進化させる。

 敗れた2回戦の横浜(神奈川)戦。柳裕也(明大―中日)と近藤健介(日本ハム)の超高校級バッテリーに盗塁ゼロに抑えられたのも痛かったが、勝敗を分けたのは走塁だった。

 同点の延長十回表2死二塁、左前打で走った健大の二走、長坂拳弥(東北福祉大―阪神)は本塁まで6.8秒でアウト。対してその裏2死一、二塁、横浜の二走は左前打で走り6.2秒でホームインしてサヨナラ。葛原コーチのマニュアルには「二塁から本塁まで6.7秒以内、2死なら6.5秒」が加わった。

 土台が固まってきた翌春、初出場の選抜甲子園で健大は初めて機動破壊を名乗って、全国4強入り。「一塁から4メートル以上のリードを取る」「偽走(走るそぶり)で投手を揺さぶる」といった心理戦も絡めた14年夏は群馬大会記録を35盗塁に更新し、甲子園は8強に勝ち上がった。

 ノウハウは今のチームにも生きている。昨秋の計8試合でチーム一の9盗塁を決めた小野寺大輝。50メートル5.9秒の俊足だが中学時代は盗塁が苦手といい、「健大で走り方を教わった」。

 8盗塁の湯浅大主将も「相手の隙や、癖をうかがうようになった」と話す。関東の準々決勝の横浜戦で左腕投手から決勝点につながったボークを引き出したりと、「記録に残らない走塁」の意識も高く持つ。

 県のみならず、高校野球そのものを変えた先端の走塁術はこの春も聖地を沸かせるだろう。だが日本一にはまだ足りない。それを分かっているから今年の健大は別の“武器”も準備している。

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。

健大高崎は盗塁練習に多くの時間を割く。選手は葛原コーチのマニュアルを頭と体にたたき込む

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