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前橋育英 王座死守 7度目V 春季関東高校野球県予選 

更新日時:2017年6月16日(金) PM 09:50
 高校野球の第69回春季関東地区大会群馬県予選最終日は4日、高崎城南球場で決勝が行われ、前橋育英が健大高崎を7―6で下し、3年連続7度目の優勝を飾った。育英は丸山和郁の2打席連続ホームランなどで小刻みに加点する一方、先発皆川喬涼と丸山の継投で健大の猛追を振り切った。

 両校はともに3年連続の県代表として20~24日、茨城県で開かれる関東大会に出場する。初戦はいずれも20日、水戸市民球場で、育英が山梨2位との2回戦、健大は茨城4位との1回戦に臨む。

 ※勝ち上がり表はこちら

 ▽決勝
健大高崎
 000 001 023―6
 103 010 02×―7
前橋育英

【健】小野、柳沢-安藤、是沢
【前】皆川、丸山-戸部
▽本塁打 安藤(健)丸山2(前)
▽二塁打 根井(健)丸山(前)

 前橋育英が丸山の2打席連続弾を含む4安打4打点などで築いたリードを守った。五回までに5点を奪い、追い上げられた八回は敵失絡みで2点追加。九回途中から登板した丸山が同点のピンチを断った。

 健大高崎は後半に反撃。九回、代打根井の3点適時二塁打で1点差まで迫ったが、一歩及ばなかった。

◎宿敵対決制し夏への自信
 意地のぶつかり合う接戦が、2500人の観衆をくぎ付けにした。昨春から4季続けて同じ顔合わせとなった決勝で、強い輝きを放ったのは前橋育英のリードオフマン丸山和郁。初回の鮮やかな走塁から九回の火消しまで投打で存在感を示し続けた。

 初回は右翼への二塁打で出塁し、2番黒沢駿太の送りバントで1死三塁。いきなり見せ場を呼び込んだ。続く戸部魁人の打球は強い当たりの二塁ゴロだった。

 絶対に先制したかった。つかんだ二塁手がちらりと目でけん制し、走らないと判断して一塁側を向いた、その瞬間。「投げる隙を突いて」スタートし、一気に滑り込む。主審が両手を広げ、果敢な走塁の成果がスコアボードに刻まれた。

 第2打席は三回、田中宏樹の安打と失策で無死一、二塁。真ん中高めを捉えた打球はぐんぐん伸びて、バックスクリーンに飛び込んだ。選抜甲子園からスイングに悩み続け、この日はボールから目を外さないよう意識して打席に立ったという。五回2死の第3打席でも連続本塁打と存分に暴れてみせた。

 しかし健大高崎は簡単に勝たせてくれない。九回、代打の適時二塁打で1点差に詰め寄られ、なお1死二塁。荒井直樹監督は最大のピンチで丸山をマウンドに送り出した。足がつっていても「気合で抑える」。四球一つを与えたものの、粘り強い投球でホームは踏ませなかった。

 健大とは接戦続きで、荒井監督も「なぜこうなってしまうのか」と苦笑いするが、接戦を勝ち切ったことは関東、夏への大きな弾みだ。指揮官は「強豪校と公式戦をできる機会はなかなかない。夏につなげていきたい」と先を見据えた。(中里圭秀)

◎自慢の守備力で 九回の危機救う
 前橋育英を救ったのは持ち前の守備力。1点差に迫られた九回1死二塁、遊撃黒沢駿太の好判断が健大高崎の猛追を退けた。

 チームがこの日、守備で掲げたテーマは「先の塁でアウトにする」。黒沢も抜かりはなかった。健大1番の当たりは強いが正面。低い姿勢で捕球すると、思い切って三塁へ送って二走を仕留めた。

 荒井直樹監督が「勇気あるプレー」と称賛したように、果敢に攻めてピンチを断った。黒沢は「自分は打って貢献するより、守りの人間。守備で貢献できてうれしい」と胸を張った。

◎追撃あと一歩 控え選手の活躍光る…健大高崎
 青柳博文監督が思わずぼやいた。「情けないと思いますね。非常に勝負弱い」。健大高崎は2015年春までさかのぼると前橋育英と5度対戦して、5連敗。苦手意識克服をと考えていても無理はない。惜敗にも試合後の表情は渋かった。

 四回まで走者は四球の1人だけ。得点は七回まで安藤諭の本塁打の1点のみ。万全でない湯浅大がベンチを外れ、“主将代行”の安里樹羅も「前半から打っていかないと勝つのは難しい」と力不足を痛感したようだ。

 収穫は控え選手の活躍だ。途中出場の2年生捕手、是沢涼輔は4点差の九回無死一塁からヒットでつなぎ、1死満塁に広がった好機で代打の根井大輝が走者一掃の二塁打を放った。

 ともに選抜甲子園ではベンチ外。是沢は「育英にだけは負けてたまるか」と打席に入った。強気に結果を残した根井も「こういう時にこそ控えがどんどん出ていかないと」とレギュラーを追い抜く意気込みだ。

 課題としてきた選手層は1カ月間の大会でだいぶ厚みを増したとみえる。投手も複数試し、最後の守備となった八回を任せたのは2年生左腕の柳沢寛。エース伊藤敦紀が登板したのは大会通じて1イニングだけだった。

 「育英を倒さないと甲子園には行けない」。監督と選手の共通理解が健大をまた前に進ませるだろう。悔しさは夏への糧にすればいい。あの日の負けが…と言える日がきっとやってくる。(椛沢基史)

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。

健大高崎―前橋育英 3回裏育英無死一、二塁、丸山が中越えの3ランを放つ=高崎城南

 

健大高崎―前橋育英 9回表健大1死満塁、代打根井が走者一掃の二塁打を放ち、1点差に詰め寄る=高崎城南

 

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