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《センバツ・紫紺への決意》前橋育英 状況に応じベスト  

更新日時:2017年3月15日(水) AM 05:32
 たった一つのミスや不運で試合は突如崩れる。昨夏の甲子園初戦の嘉手納(沖縄)戦で前橋育英は、どのチームよりも、その怖さを思い知った。終盤七回にまさかの8失点を喫し、優位に進めていた試合はあえなく逆転負け。新チームは絶対に勝利を逃さぬよう、例年以上に一人一人が考えて練習に取り組んできた。

 育英はノックに先立ち、10分ほど「シャドー守備」に取り組む。各自が打者や打球を想像し、よりよいボールさばきを考え、黙々と捕球や送球の動きを繰り返す。そうして集中力を高めてから行う走者を置いたノックでは、全員が送球先を声に出す。場面に応じてどこに送球すべきかを明らかにし、素早く正確な判断を体にしみこませる。

 打撃練習では打者が一球ごとに、走者の状況とアウトカウントを口にして確認する。部員41人に対して打席は三つだけで、1人当たりの持ち時間は10分前後。限られた時間を無駄にせず、実戦をイメージしてバットを振ることで、自分の置かれた状況に最適な打撃ができるよう集中力を研ぎ澄ます。

 秋の公式戦打率が5割を超える戸部魁人は、打ち上げてしまいがちな傾向を修正しようと、1死三塁でランナーをかえす状況を常に想定し、ボールの上部を狙い打つことを心掛けた。関東大会で凡退につながった肩の開きも修正でき、「右方向へ流せるようになってきた」と手応えを示す。

 取り組みはグラウンドだけにとどまらない。11月ごろからは練習後に15分ほど読書の時間を設け、考える習慣付けを促した。週に1度、各選手が提出する野球ノートには当日の内容や気付いた点、課題点がびっしりと書き込まれてくる。荒井直樹監督は手書きの助言や励ましの言葉を添えて返し、モチベーションを引き出す。

 普段の練習の一球一球が甲子園へつながるという認識を共有し、積み上げてきた。足りないものを補うため、飯島大夢主将は「自分たちでアイデアを考え、出し合って練習してきた」と強調する。

 「打球が鋭くなったでしょう。秋と比べれば、全ての面で向上してますよ」。派手さこそないが濃密な練習を重ね、指揮官がグラウンドに向ける目に自信がにじむ。掲げるチームスローガンは「執念」。貪欲に勝利を求めていく。

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。

ノック練習を行う前橋育英の選手。仲間が積極的に声を出し送球先を指示する=前橋育英グラウンド

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