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視点オピニオン21

地域産業映す廃棄物 旬の素材で魅力PRを

ナカダイ リマーケティング課リーダー 福崎幸乃
 
 春のようなクリスマスが過ぎ、もうすぐ年末を迎えます。この記事が掲載されるころは2016年ですね。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、年末。廃棄物業界にとっては、1年で2番目に忙しい時期を迎えます。1番忙しい時期は3月、3番目は9月。違いは何でしょうか。

 廃棄物は、食べ物に似ています。トラックで引き取り・持ち込みができる範囲の廃棄物が集まる、つまり、廃棄物には地域性があります。前橋市に工場を持つ私たちナカダイは、北海道や沖縄の廃棄物は引き取りに行けません。よって、ナカダイの工場に集まる廃棄物は、特に群馬県の産業や生活を色濃く反映します。まさに「地産地消」ですね。

 そして、この年末の廃棄物の量や種類から分かるのは、「旬」があるということ。3月は多くの企業の決算期、9月は半決算期、そして12月は、大掃除等による廃棄物が多く持ち込まれるのです。

 この「旬」は、食料品売り場に並ぶ食材の変化から感じられるように、実際に私たちの工場を見学していただければ一目瞭然です。12月は、ご家庭の粗大ごみを中心に、大掃除に伴う多種多様の廃棄物が並んでいます。年末年始を過ぎ、企業の決算期の時期になると、廃棄物の内容はガラッと変わり、工場内はたくさんの段ボール箱が山積みになります。中身は在庫処分品。梱包(こんぽう)材やビニール袋、説明書、そして処分される商品。私たちは全て素材ごとに分別し、リサイクルをしていきます。

 「地産地消」と「旬」。食べ物との共通点となるこのキーワードは、大きな魅力を秘めています。

 「廃棄物中間処理工場」が、全国にいくつ存在するかご存じでしょうか。対象となる処理物の種類によってさまざまですが、国内各地に1万カ所以上あるのです。皆さまの住んでいる地域にも、必ず複数の処理工場があるはずです。

 「地産地消」であるということは、その地域の産業を反映する廃棄物、つまり「素材」が集まるということ。群馬県のナカダイなら、電機や自動車関連の素材が多く集まります。同様に、京都では、着物の帯や畳の縁等、ナカダイでは手に入らない素材が集まります。港がある地域なら船の部材、繊維業が盛んな地域なら糸や生地。例えば旅行に行った時、その地域の名産品と一緒に「素材」が並んでいるとしたらどうでしょう。しかもその「素材」は「旬」によって変わります。春に出かけた時にはなかったモノが、秋に並んでいるとしたら。廃棄物は、その地域の魅力の一つになるのではないでしょうか。

 全国1万カ所以上の廃棄物処理工場が、地域の魅力を伝える場所になる。その第一歩として、廃棄物を通して群馬県の魅力を全国に発信していける仕事をしようということを、新年の抱負としたいと思います。



ナカダイ リマーケティング課リーダー 福崎幸乃 前橋市西片貝町

 【略歴】前橋市生まれ。群馬高専、新潟大卒。2010年に産業廃棄物処理業のナカダイ入社。リマーケティング課のリーダーとして、廃棄物の新しい活用方法を考えている。

2016/01/08掲載
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