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視点オピニオン21

神流のトレラン大会 交流盛んに元気な町へ

元神流町役場職員 近藤昌弘
 
 近年、山道を走るトレイルランニング(トレラン)の人気が高まっている。

 県藤岡行政事務所と当時県庁職員の鏑木毅(かぶらきつよし)氏(現プロトレイルランナー)が、地域振興策として提案した「神流マウンテンラン&ウォーク」は、同氏のプロデュースにより、2009年から始まり、今年で9回目の開催となる。

 苦難を抱えて船出した神流町が舞台の大会だが、たくさんの町民ボランティアに支えられ、温かいおもてなしにあふれたアットホームな大会として口コミで評判が広がった。年々参加者が増え、毎年11月には国内はもとより海外からの参加者も含め700人以上の方が疾走している。リピーターも多く、募集開始から数分でエントリーが終了するほどの人気ぶりだ。

 大勢の参加者が前日から来町するため、宿泊施設が足りず、民泊制度を取り入れ、数十軒に宿泊協力をいただいている。ゴールゲートや応援旗、前夜祭に使用する竹コップや竹串などは町民の手作りだ。山道整備も町民が手伝う。古道を取り入れたコース設定やトレランマップの作成にあたっては、地元の山々を知り尽くした万場診療所の田中雅史医師の存在が大きい。これらのほとんどはボランティアで担われている。

 大会前日の豆腐づくりやこんにゃく作りなどの山村体験も人気だ。体育館で行う前夜祭は、参加者の6割近くの方が出席する。ジャズバンドの生演奏の中、地元の郷土料理や竹酒などで参加者をもてなす。こうした取り組みもあり、参加者から「日本一温かい大会」との声も上がる。

 私もバンドとコラボし、自作曲の大会応援歌「トレイル☆ランナー」を鏑木氏や参加者の皆さんと共に歌わせていただいている。

 大会は、50キロのスーパーシングルとペア、40キロのロング、27キロのミドルと四つのクラスに分かれる。また、フランスのトレラン大会「ニボレリバード」と交流し、毎年男女各1人の選手を相互に派遣。両大会ともグレードの高い大会となっている。

 大会当日は、町内外の多くのボランティアがコースのエイドステーション(補給所)やチェックポイントに入るが、特に天空の里持倉集落のエイドは、手打ちそばや花豆を振る舞い選手に大人気だ。沿道では、大勢の町民が応援旗を振り、選手と町民が一体となった大会である。

 大会前後のみならず、年間を通じてたくさんの試走者が町を訪れ、町民とふれあい、町民は選手から元気をいただいている。

 人口2千人を切った過疎化・少子高齢化の当町だが、このイベントで数組のカップルが誕生したこともある。町民と参加者との交流がさらに深まり「かんなのファン」が増殖し、町の活性化につながればと願う。



元神流町役場職員 近藤昌弘 神流町万場

 【略歴】万場高、県立農業大学校卒。町役場を退職後、町恐竜センター解説員。2015年から藤岡土木事務所万場事業所勤務。保護司、行政相談委員、藤岡署協議会委員。

2017/09/06掲載