文字サイズを変更する
小
中
大
 

三山春秋

2017/09/07【三山春秋】 「私は生後20日で両親に捨てられた」という高校生の言葉にはっとさせられた。館林市で2日…

 
 ▼「私は生後20日で両親に捨てられた」という高校生の言葉にはっとさせられた。館林市で2日に開かれた全国高校決勝弁論大会でのこと。7道県15校から集まった高校生弁士の主張が、聞く者の心をとらえた

 ▼おかやま山陽高3年でフィリピン生まれのビラン・アンドレ君は出生時に両親が薬物中毒だったが「日本人女性に助けられ、自分の子のように育ててもらった。恩返しできるよう成長したい」と語った。さわやかな表情にも言葉に強い意志が感じられた

 ▼難民の窮状を訴えたのは関東学園大附属高3年、渡辺貴美子さん。ミャンマーから迫害を逃れ館林市に住むロヒンギャ族について学び、「海外で苦しい生活を強いられている難民の存在を知ってほしい」と呼び掛けた

 ▼福島県会津高2年の上島花菜さんは、東日本大震災の原発事故の被災者が今もいじめや差別を受けていることに触れ、「問題を自分のこととしてとらえてほしい」と、被災者の心に寄り添うことが真の復興だと訴えた

 ▼過疎対策の一助にと保育士になる夢、難病と闘う母の姿から学んだこと―。日常生活や社会の問題を若者の視点でとらえた、率直な考えが心に響く

 ▼全国で高校の弁論部や弁論大会が姿を消しつつある中、館林高の主催で65年目を迎えた。運営にあたる同校の教諭や生徒会、弁論部の熱意が何よりうれしい。