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三山春秋

2017/08/20【三山春秋】 ズボンの裾をまくり、革靴をサンダルに履き替えて、山里深い桐生市青少年野外活動センター…

 
 ▼ズボンの裾をまくり、革靴をサンダルに履き替えて、山里深い桐生市青少年野外活動センター近くの桐生川へ入った。真夏なのに、しびれるような冷たさだ。その冷気が膝、太ももへ突き上げてくる

 ▼持参した椅子に座り、足を清流に浸したまま本を開く。地元の人々が「清流読書」と呼ぶ体験。深緑の木々に囲まれ、ゴウゴウと流れる川の音とセミの鳴き声だけが耳に響き、本の世界に没頭した。気温が30度近い市街地に戻った後も2、3時間は涼しさが続いた

 ▼市内の親子向け体験教室「未来創生塾」は毎年、清流読書を行っている。清流を古里の魅力と捉え、子どもたちに誇りに思ってもらうのが狙いだ

 ▼各地域が街おこしを競っている。地域の魅力を高めるとき、ないものねだりをしては、いつになっても満たされない。身近にあるものを見つめ直し、魅力を引き出したい

 ▼みなかみ町は利根川の急流をボートで下るラフティングや滝つぼに飛び込むキャニオニングを売り込む。神流町は20日まで、神流川の流れの中に泳いで遊べる場を設けている。川が立派な観光資源になっている

 ▼魅力の対象は自然だけではない。古民家に哀愁を感じる人もいれば、道祖神に手を合わせて心安らぐ人もいる。その土地ならではの歴史や文化、人の営みをいつもと違った角度から眺めてみてはどうだろう。