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視点オピニオン21

廃棄物の活用 珍しく新しい「素材」に

ナカダイ リマーケティング課リーダー 福崎幸乃
 
 「廃棄物」という言葉からイメージするものは何でしょうか。汚い、臭い、いわゆる「ごみ」として、きっと良い印象を抱く方はいないでしょう。

 私が勤務する会社は、前橋市内で廃棄物中間処分業を営んでいます。毎日、50トンを超える廃棄物が工場に運ばれ、リユース・リサイクルされていきます。2010年、「廃棄物」という言葉に対して特別良いイメージも悪いイメージも抱いていなかった私は企業理念、そして会社説明会の熱さと面白さに引かれて株式会社ナカダイに入社しました。それから約6年、私はナカダイの敷地内で「ごみ」を見たことがありません。

 工場に運ばれてくる廃棄物は多種多様です。さまざまな企業から排出される産業廃棄物を中心に、プラスチック、金属、ガラス、木、紙、セラミックなど、毎日違うモノが入ってきます。

 例えば、四角い木板から丸いテーブルを作った時の角の部分、車の部品製造後の機械に残ったプラスチックの塊、輸送時に使う梱包(こんぽう)材…。私たちの生活に密接に関わっていながら、普段見ることのない多くのモノが、今日も50トン運ばれてきます。何の素材だろう、何に使われていたんだろう、そして、このモノを生かす一番良い方法は何だろう。ナカダイに来た廃棄物はごみではなく、非常に面白く珍しい、新しい「素材」なのです。

 ある日、容器に使用されるキャップが1トン運ばれてきました。1トンのキャップ、想像がつかない量ですよね。そんなにたくさん捨てるなんて、と思われる方もいると思います。ですが、捨てたくて捨てている企業はいません。きちんと管理をして、私たちが普段通り生活ができるよう、品切れを起こさないようギリギリの量を生産しているのです。生産量が多すぎて、生産に伴う廃棄の量は多く聞こえてしまいますが、決して無駄をしているわけではありません。

 キャップは今、ナカダイでプールになっています。来場者はキャップのプールに飛び込み、埋まったり、泳いだりして楽しみます(キャップで足裏が刺激され、不健康な人は入ると痛みで出られませんのでご注意を)。

 私たちはキャップを遊具にしましたが、ある人は壁に貼り付け、店舗の内装にするかもしれません。溶かしてアート作品を作る人もいれば、夏休みの工作材料に使う人もいるかもしれない。もちろん、また商品を作るためのリサイクルをする道もあります。廃棄物は、新しい発想によって新たな道を歩んでいくのです。

 「廃棄物」のイメージを変え、見方を変えれば、無限の可能性が広がります。身の回りの廃棄物を、ぜひ一度見つめてみてください。



ナカダイ リマーケティング課リーダー 福崎幸乃 前橋市西片貝町

 【略歴】前橋市生まれ。群馬高専、新潟大卒。2010年に産業廃棄物処理業のナカダイ入社。リマーケティング課のリーダーとして、廃棄物の新しい活用方法を考えている。

2015/12/02掲載