文字サイズを変更する
小
中
大
 

視点オピニオン21

就職先の選定 知らない業界こそ魅力

ナカダイ リマーケティング課リーダー 福崎幸乃
 
 ここ数年、就職活動時期がいろいろ変化をしていますね。私の場合、産業廃棄物業界という、なかなかなじみのない業界に勤めているため、入社理由を聞かれることがよくあります。答えるたびに、学生時代の自分は考えもしなかった会社の魅力を実感しています。

 私は2010年に大学を卒業しましたが、就職活動開始時期は今よりもはるかに早く、就活サイトは大学3年生の秋にオープンでした。環境問題に興味を持ち、化学・生態学を学び、卒業研究で日本全国を飛び回って在来種のメダカを探した私は、「環境」をキーワードにいろいろな企業を巡りました。

 「働く場所」は、どのような基準で選んでいるでしょうか。自分の学んできたこと、やりたいこと、地域、条件、規模、将来性…。人によって、選び方はさまざまだと思います。ここに勤めたいと決めている方もいれば、就活をきっかけに本格的に考える方もいるでしょう。中途の方であれば、経験を生かしてより具体的に考えられているかもしれません。いずれにしても、自分自身で考え、納得して、進んでいくのだと思います。

 ただ1点、なじみのない業界に勤めているからこそ、思うことがあります。「知らない」ことが実はどれほど魅力を持っているか、ということです。一つの企業の仕事内容や労働条件ということではなく、そもそもその業界を知らない、業種を知らない、意識をしたことがない、という点です。

 私も学生のころ、自分の興味のある「環境」というキーワードでしか企業を見ていませんでした。実際に社会人となり、会社に勤め、さまざまな業界や企業の方々と話す中で、初めて知ることが本当にたくさんあり、世の中にはたくさんの魅力的な仕事があるのだな、と実感しました。

 例えば、廃棄物業界。私は今年で7年目になりますが、仕事の中で必要不可欠なものは「発想力」だと思っています。目の前の廃棄物に向き合って、考える。なぜ捨てられたのか、何に使われる予定だったのか、建築に使えるかも、工作材料に使えるかも、あるいは燃料になるかもしれない。社員の発想力で、その後の廃棄物の道が決まっていきます。学生のころは、考えてもいなかった魅力がここにあるのです。

 自分が考えている「働く場所を選ぶ基準」を、今より少しだけ広げてみませんか。今は知らなくても、今は興味がなくても、魅力のある業界や企業はたくさんあります。多くの業界を見て、人と話し、体験をしてみると、今は考えてもいない部分に引かれるかもしれません。私が廃棄物業界を面白いと感じているように、きっと新しい魅力が見つかるはずです。



ナカダイ リマーケティング課リーダー 福崎幸乃 前橋市西片貝町

 【略歴】前橋市生まれ。群馬高専、新潟大卒。2010年に産業廃棄物処理業のナカダイ入社。リマーケティング課のリーダーとして、廃棄物の新しい活用方法を考えている。

2016/05/23掲載