文字サイズを変更する
小
中
大
 

三山春秋

2017/05/18【三山春秋】 人型のパネルが輪になり、体育館内に並んでいた。成人男性ほどの…

 
 ▼人型のパネルが輪になり、体育館内に並んでいた。成人男性ほどの大きさもあれば、幼児のように1メートルに満たないものも。それぞれ胸の位置に、笑顔の写真が飾られていた。もう二度と会うことができない大切な人たちの笑顔だ

 ▼4月にみどり市の旧神梅小で開かれた「生命(いのち)のメッセージ展」。交通事故などで命を落とした51人が「人型」となり、写真と遺品の靴、遺族からのメッセージを展示した

 ▼ある人型にはVサインをする青年の写真があった。本県に住んでいた青年は2006年、トラックに追突された。「おかぁ、行ってくるね。おみやげ買ってくるね」。そう言い残して出掛けたまま、この世を去った

 ▼青年の無念、遺族の悲しみは計り知れない。母は人型に掲示した文章に「今度生まれ変わる時もお母さんの可愛い息子であってね」と気丈につづっていた

 ▼同展実行委員長の山田穂子(すいこ)さん(桐生市菱町)も交通事故で亡くした長男の人型を立てた。事故から22年が過ぎても心の傷は癒えないが「展示を通して悲しい事故が減り、遺族同士が話し合って少しでも心が軽くなれば」と願う

 ▼21日から28日まで同会場で、再度展示が行われる。いじめや自殺、事件などで命を落とした人型も加わり計160人になる。悲劇を繰り返さないためには、どうしたらいいのか。声なき声に耳を傾けたい。

  • 上毛新聞を購読する
  • 上毛新聞に広告を載せる
URLを携帯へ転送 右のQRコードから上毛新聞モバイルサイト「じょうもばいる」にアクセスできます