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三山春秋

2017/08/16【三山春秋】 京都の夏の夜を彩る五山送り火はお盆の恒例行事として…

 
 ▼京都の夏の夜を彩る五山送り火はお盆の恒例行事として全国に知られる。「平安初期に空海が始めた」「室町中期に足利義政が創始」「江戸初期から」と諸説あり、起源は分かっていないという

 ▼送り火に加え、迎え火や精霊流しなど火にまつわる行事の多い時季である。富岡市指定の重要民俗文化財、大島百八灯もその一つ。大島の火祭りとも呼ばれ、きょう16日午後7時半に点火される

 ▼こちらの起源は多胡碑(高崎市)に刻まれた「羊」の文字と関係した「羊太夫伝説」に基づき、奈良時代までさかのぼると地元で伝わる。善政で住民に慕われながら、朝廷に謀反の疑いをかけられて亡くなった羊太夫を供養するため始まったとされる

 ▼大島地区にある世帯の代表男性が山に登り、その場で合議して世相や願いを込めた文字を決め、火をともす。火文字は毎年変わり、戦後70年の一昨年は「平」、昨年は「和」だった

 ▼富岡市教委によると、1868年以降の火文字が記録に残る。世界遺産の富岡製糸場が創業した72年は「カ」で、官営工場完成を祝った

 ▼「ひつじさま」と地元で崇拝されてきた多胡碑は同じく高崎市の山上碑、金井沢碑とユネスコの「世界の記憶」に登録を申請している。今年の火文字も楽しみだが、来年は住民が「羊」の文字を選び、祝えるような決定の朗報を待ちたい。