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三山春秋

2017/03/19【三山春秋】 館林市と邑楽町にまたがる多々良沼で食虫植物「ムジナモ」が…

 
 ▼館林市と邑楽町にまたがる多々良沼で食虫植物「ムジナモ」が姿を消したのは半世紀も前のこと。国の天然記念物指定(1920年)を受けながら、工場廃水や生活雑排水などで水質が悪化したことが絶滅の要因とされている

 ▼かつて多々良沼は貴重な動植物の宝庫といわれた。全国的に絶滅の危機にさらされている淡水魚のタナゴ類や水生植物「オニバス」などが見られた。沼のムジナモは教科書にも掲載され、豊かな自然環境は全国的に知られていた

 ▼この環境を取り戻そうと、「多々良沼自然公園を愛する会」や「館林ムジナモを守る会」など地元住民らでつくる団体を中心に試行錯誤が続けられている

 ▼21日には、愛する会主催のヨシ焼きが予定されている。ヨシ焼きは、新芽の成長促進と害虫駆除、ヨシの堆積による沼の陸地化を抑制する効果があるとされる

 ▼しかし、若い世代の加入がほとんどなくなり、会員の高齢化が不安視されている。愛する会代表の林宣雄さん(75)は「将来を考えると、若い世代の加入が不可欠。多くの人に関心を持ってほしい」と訴える

 ▼ヨシ焼きが済んだ場所は、5月にはヨシの新緑で覆われた美しい水辺の風景が広がる。物質的な豊かさを求めるうちに、人が手を入れないと維持できないほど衰退してしまった自然がそこに広がっていることを自覚したい。