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視点オピニオン21

マイノリティー支援 共生へ心を一つに

NPO法人NO BORDERS理事長 宮崎マルコ・アントニオ
 
 NPO法人NO BORDERSの代表を務めています。私たちは県内の外国人児童生徒の教育支援を提供しており、最近では多文化共生の推進に向けた活動の啓発も行っています。

 「多文化共生」といった言葉をよく聞いたことがあると思いますが、具体的に「多文化共生」を知る機会は多くないと思います。しかし、意外と私たちの身近なところで多文化共生が推進され、現在日本社会では欠かせないものとなっています。

 たとえば、もし自分が海外旅行で災害にあった場合、避難場所や報道がその国指定の言語だけで情報提供されてしまったら、私たちはどこへ行けばよいのか、何を基に避難すればよいのか、考えたことがありますか。東日本大震災でも実際に多くの在日外国人が被害にあい、避難所で生活していた方々も多かったです。

 しかし、災害となると国籍、年齢、文化を問わず、全員が同じ条件で支援の対象または支援を施す対象となるのです。私は東日本大震災の際に大泉町で構成された「WE ARE WITH YOU」のボランティアチームの代表を務めました。ボランティアでは炊き出しをはじめ支援物資の提供を行い、国籍を問わず被災地の人たちに元気を運んでいました。

 災害といった分野もそうですが、それ以外に医療、労働、福祉などの分野において、私たちは未来に向けて今から考えていかなければならないのです。私たちの国づくりは次世代のための準備としてとらえなければならないのです。「今を」より「未来を」といったコンセプトを持つ必要があるのです。

 NO BORDERSは「国境を越えて」という理念を思って作りました。私たちが考えている真の多文化共生は、心が一致することです。体と同じ、頭が部位に命令して行動をすることと同じで、右手が左足とけんかをすることは絶対にありえないことなのです。国と住民が心を一致させることで「真の多文化共生社会」の構成が実現できると信じています。団結は国を作り、社会を構成し、そして人を目的に導いてくれるのです。

 現在私たちが目指している社会は全員が目的を定めて、町をはじめ行政や団体と一致し、その目標に向けて力を合わせることです。私たちのNPO法人はマイノリティーとして認識されている外国人支援ですが、マイノリティーだからこそ多くの理解を得て協力し合う価値のある活動だと思っています。

 私たちはこれからも多文化共生を日本だけではなく世界に発信できるよう、皆さんの協力を得ながら活動に携わっていきますので、今後もやさしく見守っていただければ幸いです。オブリガード!



NPO法人NO BORDERS理事長 宮崎マルコ・アントニオ 太田市由良町

 【略歴】ブラジル・パラナ州出身の日系2世で、ロンドリーナ州立大卒の元歯科医師。飲食業の傍らNPO法人を立ち上げ、外国人児童らの居場所づくりに取り組む。

2017/03/13掲載
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