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三山春秋

2017/05/16【三山春秋】 徳川幕府は幕末、京都の新選組と同様に、江戸に「新徴組」という浪士隊を置いて治安…

 
 ▼徳川幕府は幕末、京都の新選組と同様に、江戸に「新徴しんちょう組」という浪士隊を置いて治安維持にあたらせた。志を抱いて加わった隊士の中に当時の利根郡穴原村(現沼田市)出身の中沢貞祇さだまさもいた

 ▼貞祇は赤城山麓で盛んだった剣術「法神ほうしん流」に秀でていた。妹の琴は女性剣士として歴史ファンに知られ、活躍を描いたドラマが1月にNHK・BSプレミアムで放送された

 ▼新徴組は庄内藩とともに、戊辰ぼしん戦争で新政府軍と戦って敗れた。しかし貞祇ら多くの隊士は明治維新後も庄内に残り、旧藩士に協力して松ケ岡開墾場(現山形県鶴岡市)で養蚕や開拓に取り組んだ

 ▼貞祇は明治初期に郷里に戻り、開拓作業の過酷さをうかがわせる庄内時代の記録を書き残している。松ケ岡の人々は群馬県の境島村地域から養蚕技術を学び、地域一帯に絹産業を発展させた

 ▼その松ケ岡の歴史を巡るストーリーが「サムライゆかりのシルク」として、4月に文化庁の「日本遺産」に認定された

 ▼同じく絹産業に関係する群馬県の「かかあ天下―ぐんまの絹物語―」も2015年に日本遺産に認定されている。鶴岡市政策企画課は「認定申請では『かかあ天下』を大いに参考にさせてもらった。認定を機に絹文化のPRに弾みをつけたい」とする。絹が結んだ群馬県と山形の縁が、認定で一層深まりそうだ。

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