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三山春秋

2017/03/07【三山春秋】 地方移住の機運が高まっている。NPO法人ふるさと回帰支援センター(東京)で受けた…

 
 ▼地方移住の機運が高まっている。NPO法人ふるさと回帰支援センター(東京)で受けた2016年の移住相談件数は2万6426件。前年を22.4%上回った

 ▼移住希望先の1位は山梨県だが、10位以内に九州の4県、中国の2県が入るなど西日本が人気(本県は17位)。東日本大震災のあった2011年以降に顕著になった。「安全安心を求めて移住を考える人が増えている」(支援センター)

 ▼群馬を愛した文化人に、詩人で童話作家の岸田衿子さん(1929~2011年)がいる。劇作家の父、国士くにお氏が山小屋を構えた北軽井沢大学村で幼少期は夏を過ごし、成人してからは一年の大半をここで暮らした

 ▼91年、リゾートマンション開発から浅間山麓の自然や景観を守ろうと、慣れない陳情や啓発活動に奔走する岸田さんに取材で知り合った。「天真爛漫らんまん」がぴったりの飾らない人柄に引き込まれた

 ▼そんな岸田さんが心を砕いていたのが、大学村の別荘住民と地元農家の融和。開発反対運動に当初は地元から「別荘族のエゴでは」と厳しい視線が向けられたが、岸田さんと地元農家の交流を起点に運動支援の輪は広がり、開発の波は去った

 ▼地域を愛し、人を愛した岸田さん。東を避け西に向かおうとする人たちに、生きていたらどんな言葉をかけるだろうか。きょう7日は、岸田さんの命日。