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三山春秋

2017/03/04【三山春秋】 「歴史を感じさせる建物が、かっこいいな、一度見てみたい、と多くの観光客を魅了するのだ…

 
 ▼「歴史を感じさせる建物が、かっこいいな、一度見てみたい、と多くの観光客を魅了するのだと思う」。英マンチェスター大大学院生の西梨月りづきさんが寄せた先月22日付の本紙「視点」の中にこんな言葉があった

 ▼世界文化遺産に登録されているバースを訪れ、そこにしかない風景の素晴らしさを紹介。さらに内部を改修して活用する古い建物がたくさんあり、それが英国の魅力になっている。「特有性」が観光客をひきつけるなら、群馬も群馬の特有性をPRしよう―との内容だ

 ▼地域特有の風景をつくるのは古い建物だけではない。新しく、斬新な建物も地域の顔になり得る。しかし、古い建物は地域の歴史を物語る証人でもある。やはり大切にしたい

 ▼「歴史ある建物の保存を」と言うのは簡単だが、実現は容易ではない。多くの場合、改修や維持に多額の費用がかかるためだ。そして一つ、二つと姿を消していく

 ▼昭和初期、多野郡18町村が建設した旧多野会館(藤岡市)もそんな建物の一つ。当時の帝冠様式の意匠を伝える貴重な建物であるものの、所有する市とJAたのふじは解体方針を決めている

 ▼やむを得ない選択なのかもしれないが、地域に人を呼び込み、活気をもたらす可能性を秘めた建物。所有者だけでなく、地域全体で知恵を絞ることで、保存活用の道を開くことはできないだろうか。