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視点オピニオン21

4歳で迎えた愛犬 問題乗り越え「家族」に

公益社団法人日本愛玩動物協会顧問・県支所長 川口和清
 
 少子化が続く中、15歳以下の子どもの数は1700万人。犬猫は合計で2000万頭程というのが現状です。犬猫の飼育数の伸びにも、やや陰りが生じているようです。

 確かにペットを飼うことにはいくつかのデメリットがあります。まず経済的な負担ですが、環境省が公開している資料には、犬が年間36万円、猫が18万円とあります。病気をした場合を含んではいますが、平均寿命が15年を越していることも、前もって承知しておく必要があります。

 次に、自由な時間が減るという問題があります。犬の場合は、毎日の散歩が必要となりますし、子犬子猫を置いて、長時間出かけることはできません。ペットが病気や老衰で寝たきりになれば、夜中でも寝返りをうたせたりといったことも必要になります。

 そして必ず来るのが、愛するペットとの別れです。ペットロスという言葉がありますが、今日では最も大きな問題と言えるかも知れません。

 飼い始める前に、これらのことを冷静に考えておくことが必須ですし、家族全員が理解し、納得し、同意しておくことが肝要です。

 それ以外にも、飼う前に考えておかなければいけないことが、いくつかあります。まずは居住環境ですが、いまだに公営住宅ではペットの飼育が不可とされており、鳴き声などで近所迷惑となってはいけません。飼い主自身の健康と体力はどうでしょうか。

 毎日の世話、そして地震や洪水などの災害時にどうするか。万が一自分が飼えなくなった時に、ペットの命をどう守るのか。それらを事前に考えておき、決して衝動飼いをしてはならないのです。

 さてペットの命を預かり、地域社会でも責任を持って暮らしていくことは容易ではありません。しかしもろもろのデメリットを大きく上回るメリットがあると、ペットと暮らしている飼い主は感じていることでしょう。

 何といっても、癒やされるということが第一だと思います。科学的にも、ハッピーホルモンが出てストレスが減少するとか、高血圧や心拍にも良い影響があるとかがわかってきたようです。子どもの情操教育はもちろんのこと、間違いなく家族の会話は増えますし、年齢や性別を超えて絆が深まります。家族という枠を超えて、地域社会における飼い主同士のコミュニケーションにもつながり、さらにペットのブログによって、世界とつながることも可能です。

 身近な暮らしで言えば、生活のリズムも出てきます。食事の世話や散歩など、大変だというデメリット以上に良い効果をもたらします。

 さてわが家の愛犬は、推定4歳で動物愛護センターから迎えた雑種の大型犬です。フィラリアが陽性だったので、治療に30カ月かかりました。もうすぐ7年となりますが、大事な大事な家族です。



公益社団法人日本愛玩動物協会顧問・県支所長 川口和清 高崎市吉井町

 【略歴】長崎県生まれ。立教大法学部卒。ペットフードメーカー取締役を経て国際ペットワールド専門学校講師。元ペットフード公正取引協議会委員。ペット栄養管理士。

2017/09/09掲載