文字サイズを変更する
小
中
大
 

三山春秋

2017/04/24【三山春秋】 頂点に立った昨年の感激ムードはどこへ行ってしまったのだろう。先ごろ公表された県内公立…

 
 ▼頂点に立った昨年の感激ムードはどこへ行ってしまったのだろう。先ごろ公表された県内公立高校3年生の英語力は全国1位から一転、29位に下がった

 ▼理由が気になって資料を見ると何のことはない、微妙な人間心理のあやがもたらしたように思える。低下した直接の原因は、教師の判定による「英検準2級以上相当の英語力を有すると思われる生徒数」が前回4417人から2325人に半減したため

 ▼試験に基づく順位でなく、県教委は実際の英語力が低下したとは受け止めていない。勝手に想像すると、予想外の1位とその反響に驚き、調査方法を疑問視する文科相発言まで飛び出して、つい遠慮がちな判定になったのではないか

 ▼「家計調査狂時代」とは、統計調査がブームになった大正時代、社会学者の権田保之助が調査の過熱ぶりに疑念を発した言葉だ。ロシア革命の影響もあって各階層の家計が盛んに比較されたが、あやかって言えば今は「都道府県ランキング狂時代」である

 ▼健康、安全、幸福感などあらゆることが比較され、ざっと1400種類以上という数え方もある。内容はまさに玉石混交で、指標を冷静に読み解く力が求められている

 ▼大人社会が英語力のランキングに一喜一憂しようが、高校生が惑わされてはいけない。全国順位よりも、君の一歩の前進に意味がある。