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視点オピニオン21

神流の夏 マナー守って川を満喫

元神流町役場職員 近藤昌弘
 
 県内最初の平成大合併、神流町の名の基となるのは、関東一の清流と言われる神流川だ。

 神流川は、上野村から当町を流れ、埼玉県と群馬県境の神流湖、三波石峡を越え烏川に合流するまで、約87キロにわたって山あいを流れている。

 昔、高天原で神々の戦いがあり、死者の髪を流したという伝説や、野栗神社のご神体、日本武尊のお妃(きさき)「弟橘姫(おとたちばなひめ)」の遺髪を流したという伝説があり、「髪流れ川」から神流川になったともいわれる。

 また、古来より、神流川沿いの山中(さんちゅう)(上野村・中里村・万場町・旧美原村)は甘楽郡に属し、明治前半には、神流川流域を「南甘楽郡」と言った。当町にある漁業組合を「南甘(なんかん)漁業組合」と言うのはその名残である。

 私が子どもの頃は、神流川の万場河原で、平らな石で水切りをしたり、ハヨ(ウグイ)釣りをしたり、やすでカジカを突いたりして夕方まで川遊びをしていた。

 さて、今年の夏、奥多野地域(神流町・上野村)の神流川は、さまざまなイベントで熱い。

 7月30日には、上野村新羽で「上野村サマーフェスティバル」が行われ、魚のつかみ捕りやアヒルレースなどを無料で楽しめる。

 万場河原で川遊びを楽しむ「神流の涼」は今年で8年目。鯉(こい)のぼり祭りと共に定着しつつある。毎年大勢の家族連れでにぎわい、テント持参で来る人も多く、一日楽しめる。今年は7月22日から8月20日の約1カ月間にわたって行われる。

 タイヤチューブに乗っての川下りや魚のつかみ捕り、マス釣り、岩から飛び込み体験など、昔懐かしいスタイルで、海では味わえない川遊びの楽しさを満喫できる。18畳ほどの「桟敷席」の前には、地元のバザーも出店するのでゆっくり飲み食いできる。

 今年は、熱中症対策として40畳の広さの有料の桟敷席も計画されており、高齢者も一日ゆったりできる。さらに初の試みとして、子どもたちの冒険心をくすぐるトム・ソーヤ風のイカダを設置する計画もあるそうだ。

 昨年の来場者は2万人に上り、毎年増えているという。増えることは大歓迎だが、水難事故の心配が増すので、家族は互いに目を離さず、監視体制も万全を望む。

 ところで、川遊びに懸念されるのが、一部の方のマナーの悪さだ。バーベキューの食べ残しや空き缶、ペットボトル、中には紙おむつなど、河原にごみが捨てられている。

 当町は2010年に「環境の町」を宣言し、第一に河川の環境美化に取り組み、合併処理浄化槽の設置を推進している。当たり前のことだが、ごみは必ず持ち帰ろう。ごみといっしょにモラルまで捨てないで。神流川の自然はみんなの財産だから。



元神流町役場職員 近藤昌弘 神流町万場

 【略歴】万場高、県立農業大学校卒。町役場を退職後、町恐竜センター解説員。2015年から藤岡土木事務所万場事業所勤務。保護司、行政相談委員、藤岡署協議会委員。

2017/07/19掲載