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視点オピニオン21

若さを保つには 見た目より行動や意識

認知症予防&サポート研究所アンクル代表理事 河村俊一
 
 日中や深夜のテレビ放送や広告紙面などに「健康」や「美容」、「体力」などをキーワードにした商品がたくさん宣伝されています。「この人いくつに見えますか」というナレーションの後に、実年齢が明かされ、その容姿に驚くというものもあります。

 こうした映像や広告をご覧になっている人も多いと思います。「いつまでも若々しく元気でいたい」という願望に応えてくれるだろうという期待を膨らませるものなのでしょう。もちろん、映像や広告などを批判するつもりはありませんが、スタイルや見た目だけが若さを保つものではないと地域活動を通じて感じることがたくさんあります。

 以前に私が会った人生経験豊かな女性は「年齢を意識した時点で何も始められなくなっちゃうわ。今やろうと思って始められることそのものが若さであって、エネルギーでもあるのよね。時には人の手も借りるの。そうすれば、新しい人とのつながりも生まれていくでしょ」と言いました。そして、そうした考えこそが女性の元気の秘訣(ひけつ)であると教わりました。

 定年退職をして数年が過ぎた男性は「お金のない頃やバブルも経験した。つらい時も楽しい時も経験したから世の中の楽しみ方は知っている。だから、新しいことにチャレンジしてみたいと思っているんだよ」と話してくれました。

 この二人だけではなく、「元気で若々しいな」と感じる人たちは、自らの年齢を気にされている様子はありません。目の前の取り組みに対し、目標を持って行動をされている姿しか感じ取ることができません。

 それに加えて、きちんと将来のこと、つまりご自分が入院を必要としたり、亡くなったりした場合などの準備も自らの意思をきちんと整理している様子が見受けられます。中には、任意後見制度により自らの判断力が衰えてしまったときの備えを公正証書に残し、専門職と契約を結んでいる人もいました。

 自分が今やるべきことも考えて行動し、しかも、自らのアクシデントにしっかりと備えることのできるアクティブな世代が、長寿命大国の日本を支えると言っても過言ではないと思います。長寿命社会を突き進む日本は、世界からも注目されています。いかに高齢世代が暮らしを豊かに過ごしていくことができるのかということについて、問われています。

 「これからの若い人に任せる」なんて、消極的な言葉ではなく、「私たちに任せなさい」と言って、多くの世代を巻き込みながら躍動する団塊の世代が増えることを期待してしまうのは私だけでしょうか。



認知症予防&サポート研究所アンクル代表理事 河村俊一 栃木県足利市

 【略歴】太田市出身。東京福祉大卒。医師、弁護士、社会福祉士らと共に「誰に相談していいか分からないをなくす」を理念とする「街の相談室アンクル」を開設。

2017/03/18掲載
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