文字サイズを変更する
小
中
大
 

三山春秋

2017/06/18【三山春秋】 書店やレコード店を訪ねたとき、その商品の内容が分からないのに装丁やパッケージのデザイン…

 
 ▼書店やレコード店を訪ねたとき、その商品の内容が分からないのに装丁やパッケージのデザインに引かれて衝動買いをしてしまうことがある。いわゆる「ジャケ買い」である

 ▼中身を知って全く趣味が合わずに絶句することもあれば、相性がぴたりと合って一気にのめり込むこともある。それが一つの魅力であり、インテリアとして部屋に飾ることができるというメリットもある

 ▼ところが、音楽の世界では「ジャケ買い」が減っているという。原因は諸説あるだろうが、聴く方法がデジタル配信へと移行し、ジャケットに凝る必要性が低くなったことも一因らしい

 ▼CDの売り上げ自体も減少傾向が続いている。「だからこそ、今のCDには音楽以外の価値が求められている」。太田市のシンガー・ソングライター、葉月那央さん(30)は今月リリースしたCDのジャケットに「桐生織」を使用し、斬新なデザインに仕上げた

 ▼活動で関わりの深い桐生市への感謝の気持ちを表すとともに、桐生織の良さを全国にPRする狙いがあるという。ジャケットにはアーティストの作品に対する熱いメッセージが込められている

 ▼レコードやCDで育った世代にとってはジャケットの存在感が薄れていくのは寂しい限りだろう。「ジャケ買い」を誘う葉月さんらの取り組みを応援しつつ、CDの復権を祈りたい。