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視点オピニオン21

廃棄物の再生利用 異物除き単一素材に

ナカダイ リマーケティング課リーダー 福崎幸乃
 
 春が近づいてきていますね。廃棄物処理業者であるナカダイの工場は、創立時に社長が植えた桜の木に囲まれています。桃の木川沿いの土手にはたくさんの菜の花。ピンク色の満開の桜と一面の黄色の菜の花、そして廃棄物が同時に見られる、全国的にも珍しい一大スポットです。

 この絶景スポットを地域の皆さまにもぜひご体感いただければと思い、ナカダイは毎年4月に「地域交流会」を開催しています。日頃の感謝の気持ちを目いっぱい詰め込んで、社員全員で屋台を開き、普段は近づけない重機と記念撮影できるスポットを準備し、工場見学会も行います。昨年からは、共愛学園前橋国際大学の学生さんとコラボレーションも始めました。

 さて、満開の桜に囲まれる春の仕事場は、一見華やかに見えるかもしれません。しかし実は、その後には舞い散る桜の花びらとの戦いが始まります。

 廃棄物を再び社会へ戻すために大切なことは、「品質」を保つことです。特に、もう一度別の商品を作るための「マテリアルリサイクル(再生利用)」を行うためには、必ず単一の素材へ分別する必要があります。

 ビニール袋にセロハンテープが付いていたら、クリアファイルにシールが貼ってあったら、そして、お客さまと私たちが徹底的に分別したプラスチックの上に桜の花びらが落ちてしまったら…。それらは全て「異物」と見なされ、その異物が確認された時点でマテリアルリサイクルが不可能になってしまうのです。

 この「品質」を保つことが、廃棄物中間処分業の最も重要な部分です。単一の素材に分別するためには、数十種類の素材を知り、見た目や手触り、使用用途で見分けられなければなりません。

 プラスチックと花びらであれば簡単ですが、ビニール袋とおせんべいの袋だったらどうでしょう。身の回りを見渡したとき、それぞれのモノを単一の素材ごとに分けることができるでしょうか。入社前の私は、全くできませんでした。

 素材を見分け、用途を考え、廃棄された理由を知り、分別・解体やその他の処理を経て、廃棄物は最適なルートで社会へ戻っていきます。より多くの廃棄物をより良いルートで生まれ変わらせていくために、多くの方に廃棄物業界の現状を知っていただければ幸いです。

 今年の地域交流会は、4月2日午前11時から午後3時までナカダイ前橋工場、隣接の「モノ:ファクトリー」にて開催いたします。廃棄物業者の現状や身近なモノのリサイクルのこと、そして廃棄物の魅力を実感してみてください。



ナカダイ リマーケティング課リーダー 福崎幸乃 前橋市西片貝町

 【略歴】前橋市生まれ。群馬高専、新潟大卒。2010年に産業廃棄物処理業のナカダイ入社。リマーケティング課のリーダーとして、廃棄物の新しい活用方法を考えている。

2016/03/26掲載
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