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視点オピニオン21

メンタルヘルス 利益を生む「健康経営」

県社会保険労務士会参与 大谷祐三
 
 最近メンタルヘルスのニュースをよく耳にします。大手企業の過労死の問題以来、行政では心の健康の促進に力を入れているように思います。ストレスチェックの義務化などはその一例です。健康な体に健全な心が宿るものと思います。仕事によるストレスは避けられないものですが、いかにうまくストレスから心身の健康を守っていくかは本人ばかりではなく、家族や企業にとって大切な問題であります。

 私も20年ほど前に過労からパニック障害になり、過呼吸で苦しみました。毎日苦しい日々が続き、たどり着いたのが、「日々を大切に生きること」でした。それを知ったのが「あるがままになすべきをなす」で有名な、慈恵医大の森田正馬先生による「森田療法」でした。それは今の症状を受け入れ、自分のやるべき行動に導いていく行動療法です。今までの人生の考え方のゆがみについて深く考え自分の誤った行動に気づき、建設的な行動に変えることにより、症状が改善します。

 「従業員の精神的な健康=会社の発展」でなければならないと思います。話はそれますが、サービス残業をさせ、有休を与えず、休憩時間も休ませないなどといった10年以上前の「ブラック」な状態から脱皮した金融機関の関係者の講演がありました。トップの方が代わられ「払うべき残業代を払わずに会社の利益を上げるわが社は、社員を犠牲にして利益を得ている。これは絶対にしてはならないことである」と方針転換し、ここから、育休や介護休業までとれる企業に変革するまでに時間はかからなかったと言っていました。

 リーダーの決断次第ですぐにできることです。「会社の利益が出ていないから払えない…」という言い訳をよく聞きます。厳しいようですが、リーダーである社長は高級車に乗り、豪邸に住んではいませんか? コンプライアンスが守れないのならば、企業の存続価値はないと言っても過言ではありません。生き残るのは「従業員を大切にする会社」のみです。近い将来、私の言っている意味が分かる日が来ると確信しています。

 職業人はバランス感覚が大切です。仕事・家庭・趣味をほどほどに楽しめないとストレスは解消できません。これから企業は従業員の健康に気を配る「健康経営」が大切です。私の事務所も残業が少なくないので気を付けて改善しています。皆さまの会社が行政の注意を受けることの無いようにホワイト企業であり続けるお手伝いをしていきたいと願っています。売り手市場の現在、新卒者や求職者の皆さまも企業情報を収集しています。ホワイトかブラックかすぐに判断がつく時代です。良い人材に入社いただき、健康経営で会社の利益を上げていきたいものです。



県社会保険労務士会参与 大谷祐三 太田市鳥山中町

 【略歴】佐野日大高、拓殖大政経学部政治学科卒。2015年に社会保険労務士法人「大谷労務」を設立。17年5月から現職。太田中央ロータリークラブ直前会長。

2017/07/21掲載