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視点オピニオン21

働き方改革 試練越え健全な経営を

県社会保険労務士会参与 大谷祐三
 
 最近の「働き方改革」の目的の一つは非正規社員の一掃だと言う専門家もおりますが、私はそうとは思っていません。

 「仕事に人生を懸けて、気づいたらメンタルの不調やストレス疾患に陥っていた」などという極めて残念な労働にならないように、効率的な働き方を目指す非常に健全で合理的なものであると捉えています。

 少し前に「ダイバーシティー経営」が叫ばれました。多様な要素を取り入れた経営です。今までの経営の仕方では求人も経営も成り立たないことが大きな原因となり、従来から大きく転換したダイバーシティ経営がクローズアップされたと考えます。

 それと同様に長時間労働の弊害やリスクから脱却するためには、働き方改革が必要です。そのキーワードとしてテレワーク、サテライトオフィス、インターバル勤務、朝活、夕活、副業―などが挙げられます。これらのキーワードからも分かるように、いろいろな働き方の工夫や改善・改革など企業においては効率化が必要となります。

 日本企業はこれまで、さまざまな試練を乗り越えてきました。今また新たな命題に挑戦し、全社員の創意工夫を喚起し、労使一丸となって利益を上げる企業を再構築する良いチャンスと捉えていただきたいと思います。

 また、働き方改革はもう一つに、働く側の価値観の変化にも対応しています。従来の年功制や終身雇用が終わり、極めてビジネスライクな関係が求められています。「人生は働くのみにあらず」と言ったところでしょうか? 納得もできるところです。

 国会議員の妊娠に異議を唱える方も日本にはまだいます。愚かなことのように思えてなりません。欧米からみると、20年いや30年は感覚遅れです。働く女性のキャリアは妊娠や出産も含め、大切なその人のキャリアとして認める風土がいまだにありません。日本の少子高齢化脱却に大きな障害であり、大変残念なことです。

 「人生意気に感ず」などと古いことわざを思い出しますのは私だけでしょうか? 仕事に命を懸け、家族と自分を犠牲に日本を支えたなどと息巻いても誰も今はついては来ません。神風特攻も帰りの燃料があれば神話にはならない、また神話にしてはいけないのです。

 仕事で過労死させるのはある意味殺人です。経営者の皆さまのバランス感覚が問われています。

 「顧客、従業員、家族を幸せにして満足してもらい、コンプライアンスを守り、利益を上げよ!」との崇高なミッションを日本国からいただいた方々、経営者の皆さまのご健闘を祈ります。



県社会保険労務士会参与 大谷祐三 太田市鳥山中町

 【略歴】佐野日大高、拓殖大政経学部政治学科卒。2015年に社会保険労務士法人「大谷労務」を設立。17年5月から現職。太田中央ロータリークラブ直前会長。

2017/09/08掲載