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視点オピニオン21

移住者と仕事 信用と共感が力生む

Satisfaction合同会社代表 宇野将之
 
 みなかみ町に移住して5年目を迎え、現在の仕事について振り返ると移住者と仕事について思うこともあり、少し話をしたいと思います。私は移住して起業という選択肢を選びました。移住する人たちの多くは「生活環境を変えたい」「農業がやりたい」「ライフワークを充実させたい」などさまざまな理由を持っています。

 移住先での仕事については選択肢も限られますし、生活文化や環境もそれまでと大きく違い、移住者にとっては壁になる場合もあります。私はもともと飲食関係やイベント関連サービス業の世界とウェブ関連の仕事も多少知識があったため、これらのノウハウを使い、お金がもらえる仕事にするにはどうしたらよいかなどを考えながら動いてきました。

 当然、はじめからうまくいったわけではありません。地域で生まれたわけでなく、親族もおらず、相談できる友達も知り合いもいません。周りからは無謀だとも言われました。そこで考えたのが「信用を得るために何ができるのか?」でした。

 大きな成果があったのが消防団への入団や地域の事業者を知るための商工会への入会でした。この二つの活動は私にとっては難しくも苦痛でもなく、何より自分で切り開く以外手段がないからできたと感じています。正直非効率な活動と捉える人もいますが、消防団や商工会に入ることによって大きなチャンスが生まれることは確信していました。

 3年ほど活動を通して出会えた人や、つながっていく日々の中で「信用」という武器を手に入れていきました。今まで培った経験とノウハウ、第三者的視点で地域を見ることで生まれるアイデアなどがいかんなく発揮でき、行動で得た信用を武器に仕事につなげることができました。

 地方にはビジネスチャンスはたくさん転がっていると思います。地方こそ都会には無い「ニッチ産業」の宝庫だと思います。お金がなくてもできることもたくさんあります。こうしたらいいのに、ここでこうやれば仕事になると思った瞬間にそれがビジネスに変わると思います。

 ただ、ビジネスをするにおいても信用がなければだれも相手にしてくれません。移住した人が勘違いしてはいけないことの一つは考え方やアイデアの押し売りをしてはいけないということです。どんなに良いアイデアでも共感できない人の声は響きません。地域とのバランスはしっかり見ておかなければなりません。

 多様性をもって移住してくる人たちと生活文化を築いてきた地元地域の人たちが共感し合い、同じ方向に向くことで生まれる力こそ移住者が向き合う仕事の在り方ではないかと思います。



Satisfaction合同会社代表 宇野将之 みなかみ町相俣

 【略歴】広島県出身。都内で飲食・サービス業に従事。2014年にみなかみ町に移住、独立した。飲食業、施設運営のアドバイザー業を中心に活動している。

2017/07/15掲載
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