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視点オピニオン21

大学改革の今 国際水準へ待ったなし

日本進路指導推進協議会長 山口和士
 
 幸いにも今、神奈川県の私立大学、関東学院大(創立133年、横浜市金沢区、全11学部)に、勤務しているので、今回は「大学改革」の現状についてご紹介したい。

 政府が国際水準と比して、足らざる日本の大学の現状を危惧し、「大学改革実行プラン」を示したのは、20121年6月のこと。このプランには二つの柱があり、一つは「激しく変化する社会における大学の機能の再構築」、もう一つは「大学のガバナンスの充実・強化」を行うべき、というものであった。

 国の考えでは、12年を改革始動期、13~14年を改革集中実行期、15~17年を取り組みの評価・検証、改革の深化発展にあたるとしている。既に今年は17年。最後の詰めの時期に入っており、各大学の改革の道筋は、待ったなしで、明確でなければならない。

 関東学院大の学長は、規矩大義氏。50歳で学長となり、4年間改革に取り組んできた防災工学が専門のリーダーである。私が他の幾つかの大学の誘いを断り、この大学の誘いを受けたのには、大きな理由がある。東日本大震災後、東北の海岸線を一つ一つ地盤を確かめて歩き、被災地の子どもたちを励ます行動を率先して行う、規矩氏の真摯(しんし)な姿勢に、胸打たれたからに他ならない。「教育は人」なのだ。

 その学長が、国が求める3ポリシー、すなわち①「学位授与方針」②「教育課程編成・実施の方針」③「入学者受け入れ方針」―を迅速に整備し、独自の④「KGUグローバル人材育成像」を付け加え、私の進言も含め、多くの改革を推進している。

 国際都市横浜は、今後50年たっても人口の減らない都市である。労働人口の不足する地域で、いや応なく海外から多くの労働者を受け入れざるを得ない状況が想定される。一流企業も中小企業もダイナミックな時代感覚が求められ、未来を構築する若き人材を求めている。

 私はもはや、日本を支える人材は国公立大も私立大もなく、共に学生を育てるための、大学教員たる人的資産を地域で共有し、例えば横浜なら、大学教員の他県への流出を抑え、近くの大学で教え合うことが、よりメリットが大きいと考えてきた。

 なぜなら群馬の大学を見るだけでも、名古屋や仙台、東京などから通っている教員が少なくないからだ。移動距離が近くなれば、時間もでき研究の質も上がるはずである。

 今年2月、横浜市長立ち会いのもと、横浜4大学(横浜国立大・横浜市立大・関東学院大・神奈川大)は、国公立・私立の枠を超え、大学教育の質の向上を共同で推進するために「FD活動の連携に関する包括協定」を結んだ。

 今後は横国や横市の先生が、関東学院大の学生を指導することになる。大学改革は今、未来を見据えて、新たな段階にきたと言えようか。



日本進路指導推進協議会長 山口和士 藤岡市上大塚

【略歴】山形県出身。法政大文学部卒。37年間、県内の公立高校に勤務。高崎東高校長時代の20144年度から「進路多様躍進校会議」を主催。16年4月から現職。

2017/07/01掲載
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