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三山春秋

2017/06/21【三山春秋】 富岡製糸場からほど近くに住む40代の男性商店主はまちで戸惑うことが…

 
 ▼富岡製糸場からほど近くに住む40代の男性商店主はまちで戸惑うことがある。製糸場正門から東へ延びる城町通りを歩くと、観光客に間違えられ、「(土産品の)試食どうですか」と勧められた時のことだ

 ▼「富岡製糸場と絹産業遺産群」は3年前の6月21日、世界遺産への登録が決まった。商店主は登録前からイベントを仕掛けたり、商店街のマップを作ったりするなどまちづくりに積極的に関わってきた

 ▼地域の顔ともいえそうな存在だが、新たに出店した多くの業者らとの接点は意外なほど少ない。登録を機に様変わりした感のある製糸場周辺。商店主は急速に観光地化する姿に対し、生活者の立場から当惑を感じているようだ

 ▼商店主と交流のある50代の男性もまちづくりに情熱を傾ける一人。男性も今までの暮らしを大切に考える。「人とのつながりが密で人情が味わえ、古い町並みが残っているからこそ富岡」と力説する

 ▼2人に共通するのが人とのつながりを大事にしていること。独自のパイプで県外から何度も来訪する熱心な「富岡ファン」を増やしている

 ▼登録決定から3年。大切なのはこれから。世界遺産のある地としてどう未来の生活を描くのか。前出の男性が言う「人がまちを良くしていく」との言葉をヒントにしたい。人とのつながりの数や深さはきっと役立つ。