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三山春秋

2017/03/14【三山春秋】 来年の春に社会へ出る学生の就活は順調だろうか。自分の可能性を発揮できる場を…

 
 ▼来年の春に社会へ出る学生の就活は順調だろうか。自分の可能性を発揮できる場を見つけ出そうと、奮闘している姿が想像される

 ▼上毛新聞のデータベースを開くと、就活の文字が初めて紙面に登場するのは2005年1月27日。文字の前後を“”で囲んでいる。就職活動を縮めて2文字で表現するのは、まだ珍しかったからだろう。今ではすっかり定着した

 ▼会社説明会が解禁となった翌日の今月2日、前橋市であった合同企業説明会をのぞいた。就職先選びで重視する点を聞くと、ある男子学生が高橋まつりさんの名前を口にした。広告大手、電通の新入社員だった24歳の時に自殺。長時間労働が原因と労災認定されている

 ▼男子学生は飲食店のアルバイトで9時から24時までの勤務が続いたことがあるという。「言い方は悪いけど」と断った上で、過酷な労働実態が明らかになりやすくなり、改善が進むきっかけになったと話す。他の学生の多くも「働き方」に関心を向ける

 ▼高橋さんの母は過労自殺から1年たった昨年12月25日、手記を公表した。娘の死を悔やむ一方で、死によって世の中が大きく動いているとし、労働環境の改革を強く願った

 ▼手記は記す。「形のうえで制度をつくっても、人間の心が変わらなければ改革は実行できません」。一人一人、しっかり受け止めたい。