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三山春秋

2017/08/17【三山春秋】 田島弥平が完成した通気を重視した蚕の飼育法「清涼育」を…

 
 ▼田島弥平が完成した通気を重視した蚕の飼育法「清涼育」を全国に広めた明治時代の養蚕指導書「養蚕新論」。その挿絵を描いたことで知られるのが弥平と同じ伊勢崎市境島村出身の画家、金井研香(けんこう)だ

 ▼その研香が弥平旧宅近くに建てた大型養蚕家屋が、そば店に生まれ変わって1カ月が過ぎた。店主は富岡製糸場世界遺産伝道師協会の伝道師、時平和子さん(64)。「交流とまち歩きの拠点に」と10年ほど空き家だった建物を店舗兼住宅に改装した

 ▼店名の「高古(こうこ) 華竹庵(かちくあん)」は研香の父・萬戸(ばんこ)の書斎の名にちなんだ。1階土間部分を客席と厨房(ちゅうぼう)に改装し、そば通の時平さんが自家栽培したり、厳選したそば粉を使い、そばと創作料理を交えたメニューを提供する

 ▼周辺に飲食店が少ないこともあって関心は高く、予約がいっぱいでやむなく断ったこともあった。公民館サークルが練習後に訪れるなど地元客の利用やリピーターが増えている

 ▼時平さんは「弥平旧宅だけで帰る人も多いが、のんびりとした島村の雰囲気の中でゆっくりしてほしい」と話し、店を訪れた人に島村地区の見所を案内するガイドとしての役割に力を入れている

 ▼旧宅周辺は国登録有形文化財の日本基督教団島村教会や島村渡船、数多くの大型養蚕家屋が残る。まちを歩くことで島村地区の新たな魅力と歴史に出合えるはずだ。