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視点オピニオン21

居場所づくり 心の安全基地増やして

新町デイサービスセンター長 丸茂ひろみ
 
 「居場所とは居るところ、また座るところ、自分が存在する場所のことである。自分の持っている能力を一番 発揮できる分野を指すこともある」とネットでは書かれています。誰もが安心して暮らせる地域であるために子どもから高齢者、障害がある方、引きこもりの方、学生、子育て世代、働き盛り 世代の全ての住民に寄り添えるような「居場所」や「集いの場」が各地域で求められています。人は誰もが大切にされる社会になってほしいと願っているはずです。家庭、学校や職場、地域で自分の居場所が見つからない、そんな時などにホッとできる場として歩いて行ける所に点在していたら理想的です。

 「貧困」には経済的な貧困と人間関係の貧困、そして社会的孤立があると言われています。そこで居場所としても注目されているのが「こども食堂」です。こども食堂は貧困の子どもだけが行く所ではなく孤食の支援から始まったものです。親が共働きで夕飯が一人の子どもや独居高齢者であってもいいのです。最近は学習や遊びの環境を整えている所も増えたようです。心の安全基地となる子どもの居場所が増える地域は人に優しい地域でもあります。居場所とはありのままの自分で地域の方と触れ合い、仲間づくりができる場所だと思います。

 現在、私たちが取り組む無料学習支援やこども食堂に来ている親子にとって、大学生の学習サポーターが憧れの若者像となり、進学への夢を持ち、頑張る気持ちが湧いてくる場でありたいと思います。まずは夢を語れる土壌に立ってよいのだと思えることです。子どもたちの中には夢を持つことを諦め、夢を持ってはいけないと自然に刷り込まれている場合があります。生きるためには食料が毎日切れ目なくあるかないかだ、と言います。夢を語れないわが子を悲しむ余裕もなく保護者も必死です。

 厚生労働省が2015年の国民生活 基礎調査の結果を発表しました。子どもの貧困率は16.3%から13.9%へと減少し、6人に1人から7人に1人となりました。私は町内の保育園、学童クラブの保護者と職員を 対象に独自でアンケートをさせていただきました。目的の一つ目は子どもの家庭状況を知ること。二つ目は「見えない貧困」と言われている中、職員と保護者の意識を知りたかったのです。支援は知ることから始まると思いますので、わが法人職員、地域の保育園にも現場の様子を伝えたいと思っています。大学にも見学を呼びかけ、先日は40人の若者に現状や居場所の 必要性を話しました。地域のニーズにあった居場所が多様な人材によってつくられるためにも、困りごとを「わが事」としてとらえて、「丸ごと」の支援につなげる社会福祉法人を目指したいです。



新町デイサービスセンター長 丸茂ひろみ 高崎市新町

 【略歴】神奈川県生まれ。鎌倉女子大高等部卒。専門学校を経て横浜市の児童養護施設に勤務。2016年4月から地域づくりや子どもの貧困問題にも取り組んでいる。

2017/07/12掲載
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