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視点オピニオン21

ホームスタート 地域出向き子育て支援

新町デイサービスセンター長 丸茂ひろみ
 
 家庭訪問型子育て支援「ホームスタート・しんまち」を立ち上げようと思います。この活動はイギリスで43年前に始まり、日本では90地域に広がっており群馬県では初めての取り組みです。

 約2~3カ月間、週1回2時間程度訪問をして「傾聴」(話を受け止め寄り添うなど)と「協働」(育児や家事を一緒にしたり出かけるなど)によるボランティア活動となります。ストレスを抱えた親や、子育てが不安で引きこもりがちな親が地域の人々とつながるきっかけづくりを応援します。

 まず、訪問希望の親のニーズを理解した上で、訪問ボランティアとのマッチングを私が行います。専門的な支援が必要な場合には、家庭を専門機関につなぐ役割も担います。イライラした気持ちや不安な気持ちを受容されることで、親自身が子育てに向き合い、必要な力が引き出されていくことでしょう。ボランティアであるがゆえに「無知の姿勢」の技法が自然な形で実践できているからでしょう。

 住民参加型の家庭訪問支援ですが、安心安全で効果のある「高い支援の質」を担保する仕組みがあります。ボランティアを行うには、養成講座(5月9日より全8回)を受けることが条件になるのです。

 この活動に取り組む理由には大きく二つあります。保育士であり介護福祉士でもある私は、昨今の保育士離れや低賃金問題を残念に思っています。その自助努力としては「専門性を高める」ことだと思います。そこで保育士はソーシャルワークの視点を持ちアウトリーチ(出向く支援)できる力をつける必要があると思い、法人としてその仕組みをつくりたいと考えました。

 もう一つの理由は自ら相談に行けない、相談できる仲間がいないという子育ての孤立化を放置できないからです。高齢者の実態把握と同様に、子どもの実態把握もできたら理想的だと思います。子どもの貧困対策として「学習支援」「こども食堂」の活動を行うなかでも必要性を痛感しています。貧困は見えず、人には話しにくいという実態が町内の保育園と学童の保護者アンケートからも分かります。誰もが身構えることなく安心して手助けを得られることで、悩みや問題が大きくなってしまうことを未然に防げるようにすることを「ホームスタート・しんまち」は意識していきます。

 毎日、保護者と顔を合わせる関係にあるのが保育園の強み。信頼関係の構築により卒園後も困った時に頼られる「駆け込み保育園」となれたら、一番身近な相談窓口となれるでしょう。地域に出向く支援である「ホームスタート」機能も併せ持ち、地域に密着した保育園を目指します。安心して子育てできる町は誰にとっても幸せな町です。



新町デイサービスセンター長 丸茂ひろみ 高崎市新町

 【略歴】神奈川県生まれ。鎌倉女子大高等部卒。専門学校を経て横浜市の児童養護施設に勤務。2016年4月から地域づくりや子どもの貧困問題にも取り組んでいる。

2017/03/19掲載
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