文字サイズを変更する
小
中
大
 

視点オピニオン21

「生品分校」1周年 助け、助けられ生きる

かわば之杜(のもり)社長 星野真由美
 
 昨年7月に開校した住民の交流や学びの場「生品分校」(川場村)が1周年を迎えることができました。週1回の授業を重ね、授業数は53にのぼり、携わって下さったさまざまな職業や特技を生かしたボランティアの方は20人以上になります。参加者の年齢をみると、上は90歳台から下は2歳までと幅広く、毎回10人程度の方が来てくれます。

 思い起こせば、1年前に地域の役員の方に生品分校で行う活動についてプレゼンテーションを行い、当社の理念について説明しました。当社は「一粒万倍」を理念として掲げました。それは「まず、最初の一粒を自分がまき、その種が人との関係を紡ぎ、大地に根付き、大きく成長できるよう、誠意をもってことにあたり、人と人との関係を軸に地域社会の繁栄に貢献できる」ことを意味しています。生品分校の活動もその一環です。同じ時間を共有し、学び、笑い、人が集うことで少しでも地域の繁栄に貢献できるよう、生品分校で「場所つくり」を行ってきました。「場所つくり」という最初の種をまいたのは当社ですが、その種が芽を出し、双葉になり、大きく成長してきたのは、活動に参加、協力し、関わって下さった、ボランティアや地域の方のおかげです。

 運営する過程で、「仕事をしながら地域の事業をするのは大変ですね」と言っていただくことが、よくあります。確かに大変な面もありますが、その半面、毎週、生品分校に集まる高齢者の方の元気な姿や笑い声を聞いていると、私が元気をもらい救われている面も多々あります。

 この1年の活動を通じてあらためて気付いたことは、人と人との関係は一方通行ではなく、必ず双方向の関係で成り立っているということです。一方的に助けるだけの人や、いつも助けられるだけの関係はなく、つまり、「人は誰かを助け、そして助けられながら生きている」ということです。私自身、先の見えない不安に押しつぶされそうな時に、ボランティアで来てくれる方が、相談にのってくれたり、忙しい中時間をつくって参加してくれる方、毎回知恵を絞って楽しい授業を考えてくれる方、また「ここに来るのが楽しみ」と言ってくれる高齢者の笑顔に何度も助けてもらいました。自分一人でできることは限りがありますが、誰かの笑顔や力を借りることで自分が救われ、やりたいことを実現することができ、自分がヘルプすることで誰かの支えになっているかもしれません。

 また、1年前のプレゼンテーションで、「1年後には地域になくてはならない場所になりたい」と伝えました。1年経過した今、それが実現しているかは分かりませんが、少なくとも、毎回楽しみに出席する人がいる限り、今後も生 品 分校での地域活動を続けていきたいと考えています。



かわば之杜(のもり)社長 星野真由美 沼田市桜町

 【略歴】川場村出身。独協大卒。旧川場小生品分校を活用して「生品分校」を開設。県社会福祉士会国家試験対策委員。社会福祉士、精神保健福祉士など。

2017/07/06掲載
  • 上毛新聞を購読する
  • 上毛新聞に広告を載せる
URLを携帯へ転送 右のQRコードから上毛新聞モバイルサイト「じょうもばいる」にアクセスできます