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三山春秋

2017/09/05【三山春秋】 ローマ帝国の繁栄を築いたインフラの一つに上水道がある。…

 
 ▼ローマ帝国の繁栄を築いたインフラの一つに上水道がある。首都ローマには計11本の水道が敷設され、最長90キロ以上離れた水源池から高架橋や地下水路で水を送り、人々の暮らしを支えた

 ▼だが、大きな恩恵を享受し続けるには、地道で継続的なメンテナンスが欠かせない。そのために必要な手間と費用は歴代の為政者を悩ませたことだろう。インフラの老朽化が帝政末期、国の体力を奪う一因になったとの指摘もある

 ▼現代の日本も、人ごとではない。高度経済成長期に造られた橋やトンネル、建物が一斉に更新期を迎えつつあり、対策に追われる。上水道についても同様で、全国の自治体が水道事業のビジョンや経営戦略の策定を急いでいる

 ▼伊勢崎市が7月に立ち上げた検討委員会では今後、耐用年数を迎える管路や浄水場施設の状況に加え、人口減に伴う料金収入の落ち込みなどで経営環境が厳しさを増す可能性が示された

 ▼委員会は水需要予測などをもとに施設の更新基準や取水、設備投資の計画を検討し、2019年度から10年間の計画をまとめるという。将来にわたって安定的に水を供給するため、活発な議論を期待したい

 ▼「インフラの父」とも呼ばれるローマの水道は「ヴィルゴ水道」のように2千年以上を経た現代でも機能し続けるものがある。現代人の知恵が試されている。