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視点オピニオン21

幸せの黄色い羽根 笑いあえる社会築こう

県保護司会連合会長 小出海順
 
 7月に入り、TVで首相が登場すると「黄色い羽根」を襟元に着けているのに気が付いたかと思います。国民の大多数は何かなと思われたでしょう。この黄色い羽根は「社会を明るくする運動」のシンボルマークで「幸せの黄色い羽根」と呼び運動への身近な協力の印として身に着けていただいております。

 1949年7月1日に非行少年や罪を犯した人の立ち直りの支援と、犯罪の予防を目的とした犯罪者予防更生法が施行され、更生保護制度が始まりました。戦後の荒廃した社会の中にあって、街にあふれた子どもたちの将来を心配した東京銀座の商店街の有志が開いた銀座フェアーが発端でした。今年は第67回の社会を明るくする運動となります。7月1日より法務省主催の「社会を明るくする運動強調月間」がスタートしました。私たち保護司会はもちろん、更生保護女性会などの更生保護団体を中心として、群馬県でも推進のため委員会を開催し、各市町村でも本年度の運動を始めました。7月3日県知事に総理大臣メッセージを伝達させていただき、「非行や罪を犯した人たちの更生を社会全体で支援しよう。そして誰もが笑いあえる明るい社会を築こう」と主唱しております。7、8月は、高校野球の球場や駅頭キャンペーン、市内パレードなど各市町村でこの企画を推進する計画です。

 今、非行や犯罪は少子化で減少傾向にありますが、高齢化や相対的貧困の増加の中で、特に高齢者の事件が増え、再犯率も高くなっております。高齢者の孤独化、施設に受け入れてもらえない高齢者の老老介護の増加で痛ましい事件も目にします。施設では虐待の話もよく聞くようになりました。また、家族の収入が少なく、子どもの貧困化が進み、ある意味で殺伐とした社会になっています。憲法で保障された文化的で最低限度の生活、人並みの生活を送れない児童生徒の気持ちはすさんできています。ボランティアの人たちが支援していますが、行政や政治の早い対応が必要です。

 非行や犯罪を防止する、非行や犯罪をしないですむ地域社会を築こうと考えることが大事ではないでしょうか。今、自分にできることを見つけることが大事です。私にできること、そのヒントを私は闘病生活の中から見いだしたような気がします。5月、埼玉県の大学病院に入院した時のことです。病院のスタッフの皆さんが、全ての患者に平等に優しく親切に接していたのです。患者皆が「ありがとう」「ありがとう」とお礼を言っていました。こんな病院は初めてです。私も退院したら、誰にも平等に、誰にも明るい笑顔で優しくしようと思いました。病院のモットーは「貴方(あなた)の幸せが、私たちの幸せです。」とありました。



県保護司会連合会長 小出海順 安中市岩井

 【略歴】中央大文学部卒。1988年から保護司として犯罪者や非行少年の更生に尽力する。2004年まで、教員として公立小中学校長も歴任した。14年から現職。

2017/07/09掲載
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