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特例子会社で障害者の雇用拡大 労働環境を整備 生産性向上期待 

 
 雇った障害者を親会社の雇用とみなせる「特例子会社」を設立する動きが企業の間で広まりつつある。障害者に配慮した仕事や環境整備を進めやすく、職場定着率の高さから生産性の向上も期待できるのが利点。県内に本社を置く特例子会社は10社、拠点を置く特例子会社も6社ある。親会社から仕事を請け負うのが中心だが、養蚕やTシャツ印刷など独自の業務に取り組む子会社も出始めている。

 障害者雇用促進法では、従業員50人以上の企業は2.0%以上の障害者雇用が義務付けられている。特例子会社で働く障害者は親会社が雇用しているとみなすことができる。

 雇用する障害者が5人以上、従業員に占める割合が20%以上、障害者に占める重度身体、知的、精神障害者の割合が30%以上などが設立の条件。設立すると受け入れの設備投資を集中したり、親会社と異なる労働条件で弾力的に雇用管理することが可能となる。

■「特性に配慮」
 県内には、県央から東毛地域にミツバ(桐生市)やサンデンホールディングス(伊勢崎市)など製造業の大企業が立ち上げた子会社が多く、工場内で製造や清掃、軽作業などを請け負う。各社は「特性に配慮した仕事を確保し、能力を引き出せる」と説明する。

 法定雇用率の達成を目的に設立されることが多いが、既に雇用率を満たした企業が手掛けた例もある。

 廃棄物収集運搬の環境システムズ(高崎市)は、15年に環境福祉サービス(同市)を設立した。従業員はペットボトルや空き缶の選別などに従事する。福祉サービスの本郷照二社長は「雇用率の達成は目的ではない」と強調、「ゆっくりでも必ずできるようになる。戦力になってもらうための雇用だ」と言い切る。

■仕事量の確保」
 ジンズノーマ(前橋市)は農業、パーソルサンクスとみおか繭工房(富岡市、本社・東京都)は養蚕を行うなど、雇用者を増やすために仕事量の確保に向け知恵を絞る企業も多い。

 親会社のセントラルサービス(前橋市)からデータ入力などの業務を請け負ってきたセントラルリリーフ(同市)は、Tシャツ印刷やだるま絵付けなど、親会社だけに頼らず独自に仕事を見つけている。岩崎裕行管理課長は「労働者の可能性を生かすためにも、業務の幅を広げたい」と考えている。(高瀬直)


◎実雇用率1.90% 全国平均下回る

 県内の2016年6月1日時点の障害者実雇用率は全国平均を0.02ポイント下回る1.90%だった。18年4月からは法定雇用率は2.2%に引き上げられ、21年3月末までには2.3%になる見込みで、企業は対応が求められる。

 特例子会社について県は「企業、障害者の双方にメリットがある」とし、本年度は設立を検討する企業に人材を派遣したり、手続きやメリットをまとめたパンフレットを作ったりして、設立支援と障害者雇用の広がりを促していくとしている。