ロコモを考える

「延ばそう健康寿命、生涯現役を目指して」を合言葉に、第1回「ロコモ予防サークルセミナー」が明和学園短期大学主催、味の素(株)後援、イルシージャパンと上毛新聞社の協力で5月27日、前橋市昭和町の同大で開かれた。セミナーでは栄養と運動の両面からロコモ予防の重要性を指摘し、具体的な食事内容や身体の動かし方など、実技を交えて指導した。


筋肉づくりが 不可欠
毎日の食事、 運動法を指導

「テイクテン」のプログラムに沿って ストレッチや筋トレを説明する木村さん(中央)

大切なたんぱく質摂取

ロコモとは「ロコモティブシンドローム」の略称。骨や関節、筋肉などの障害により、日常生活の自立が危ぶまれる症候群のことで、寝たきりや要介護の大きな原因となることから、予防の重要性が指摘されている。

長寿大国のわが国において「元気で長生き」は共通の願いだが、日常生活を問題なく過ごせる健康寿命は、80歳を超える平均寿命に比べて男性が約9歳、女性は約13歳も短い。健康寿命を縮める要因に挙げられるのが、ロコモなどの栄養障害や運動障害で、全体の35%を占めている。つまり、ロコモのリスクを減らすことで、要支援や要介護を回避でき、健康寿命を延ばすことが可能となる。

セミナーでは、最初に味の素(株)東京支社の菅野由美子さんが、ロコモ予防の全般について講義。「筋肉は加齢とともに衰え、60代以降は急激に減少。放っておくと骨の強度も低下して、腰痛やひざ痛の原因となり、歩行困難や寝たきりといった悪循環に陥る」と指摘。筋肉づくりのために、毎日の食事でたんばく質の豊富な食材を摂取することと、柔軟性を高めるストレッチや下半身を鍛えるトレーニングを行うことの大切さを訴えた。

「テイクテン」の実践を

筋力アップの成果をみるために行われた歩行速度の測定

「元気で長生きするには、食事や運動が大切なのは分かったが、実際にどのように取り組んだらいいか」という声に応えて、実践的なアドバイスを行ったのが、特定非営利活動法人イルシー・ジャパンのプロジェクトマネージャー、木村美佳さんだ。

イルシー・ジャパンは高齢者の「元気で長生き」を目指して開発したプログラム「テイクテン」の普及を進めている。「1日に10の食品群を食べましょう」と「1日に10分間の運動を2~3回しましよう」の2つがプログラムのキーワードで、栄養バランスの良い食生活の実践と、筋力を落とさないように運動することを推奨している。

木村さんは、肉や魚、卵、大豆、果物、緑黄色野菜など10項目の食品群を記した「食生活チェック表」を使い、「10日間続けてチェックし、日頃食べていない食品を確認しましよう」とアドバイス。参加者からは「何が足りないか一目で分かる」と好評だった。

続いて、特別な道具を使わず、どこでも誰とでもできるテイクテンの体操を実践指導。いすに座ってもできるストレッチや筋トレの方法を伝授した。「身体を動かす際は、息を止めないでください。血圧が上がってしまいますから」と木村さん。キーワードのように「毎日10分間、2、3回はぜひ続けてください」と呼び掛けた。

最後に参加者全員を対象に歩行速度を測定。スタートからゴールまで9メートルのうち中央の5メートルついて、通常の歩行速度と最大歩行速度をそれぞれチェックした。「3回目のセミナー(11月下旬~12月上旬予定)でもう一度測定し、筋力アップの成果がどのように現れるか比較してみたい」と、木村さんは期待を込めて話した。

試食に「勝ち飯」の味

「勝ち飯」のノウハウを生かしたメニューを全員で試食

身体を動かした後は、調理学実習室に移ってロコモ対策の料理を試食した。この日のメニューは、主菜が鶏むね肉とトマト、キュウリを使った「しっとりやわらか棒棒鶏(バンバンジー)」、副菜がニラと溶き卵を使った「にらと卵の炊めもの」、汁物がシイタケやギョーザの皮などを具に用いた「きのこと散子の皮のトマトスープ」だった。3品はいずれも味の素(株)の製品「CookDo棒棒鶏用」や「お肉やわらかの素」「丸鶏がらスープ《塩分ひかえめ》」などを使って手軽につくれる。

同社はトップアスリートに向け、世界で勝つためのスポーツ栄養プログラム「勝ち飯」に取り組んでいる。今回のメニューにも、そのノウハウが存分に活かされ、ロコモ対策にがんばる人のための食事となっていた。60代を中心とする男女50人の参加者たちは、ロコモ対策に役立つ「勝ち飯」の味に舌鼓を打っていた。