家族と生きる力に

県若年性認知症
支援コーディネーター
平方 仁美さん

県認知症疾患医療センターに指定されている上毛病院(前橋市下大島町)で精神保健福祉士を務める平方仁美さん(29)は昨年6月から、県若年性認知症支援コーディネーターの第1号として活動している。65歳未満の現役世代が発症する若年性認知症。大きな経済的負担を抱える患者と家族は、日常生活支援や障害福祉など、さまざまな支えを必要としている。平方さんは医療チームや行政などと連携し、総合的な相談窓口として患者と家族の心に寄り添っている。

季節の花々が咲く院内を散歩し、リラックスした状態で相談を聞くこともあるという平方さん

人の役に立ちたくて福祉の大学を選んだ

偏見や差別、就労問題に直面している精神疾患の人の負担を減らしたいと精神保健福祉士の道を選んだ。病院が県の事業を受託したことでコーディネーターに選ばれた。院内の医療チームのほか、行政やケアマネージャーら外部の関係者と関わることで自身の勉強にもなっている。病状や家族構成、経済状態、住んでいる地域によっても使える支援制度などが異なるため、本人や家族の話、意向などを聞いて、利用できる制度や将来的に必要な制度を説明している。

職場での変化が早期発見の鍵に

若年性認知症はさまざまな要因が重なり発症する誰にでも起こりうる病気。要因の一つであるストレスをためないことと規則正しい生活習慣を送ることが大切だ。日記を付けることや計算ドリルを解いたりして毎日頭を使うことが予防に役立つ。

多い時は月に5人ほどの相談を受けている。自覚症状がある本人、家族のほかに会社の上司を心配する部下からの相談もあった。認知症初期は顔を洗うといった習慣的な動作は問題ないので、家族が早期に症状を気付くのは難しい。仕事上のミスなどが重なることで、職場の人が発症に気付く場合もある。病状の緩和と進行を防ぐために早期の発見と治療が重要。繊細な問題なので本人に直接伝えるのは難しいが上司や産業医を通して専門医の診察を受けるように伝えるのがいいだろう。気になることがあれば、センター(上毛病院内、027・266・1482)へ気軽に相談してほしい。