旬を迎えた “白い宝石”

「花キャベツ」とも呼ばれるカリフラワーが旬を迎えた。最近は同じ「花菜類」のブロッコリーに押されて、あまり目立たなくなったが、歯ごたえのある食感や「白い宝石」と例えられる色彩、ビタミンCなどの豊富な栄養素が注目され、食卓を彩る野菜の一つとなっている。生のまま食べてよし、煮たり炒め物にしたりと、工夫しだいでおいしく食べられる魅力的な野菜だ。

カリフラワー栽培 藤岡市
関根 隆雄さん(68)

ナシ畑が点在する藤岡市北部の田園地帯。収穫を終えたばかりのハクサイ畑に隣接して、関根さんが丹精して育てたカリフラワーの苗が、大きな葉を広げている。中心部分は食用となる花蕾を包み込むように、やや小さな葉が密集している。

「日に当たると黄色っぽく変色してしまいます」と関根さん。葉を何枚かめくると、雪のように白い花蕾が姿を現した。「美星」という品種だ。その名の通り美しく輝いて見える。関根さんは大きさを確認し、収穫できるものから順次、菜切り包丁を使って根元から切り取り、コンテナに入れていく。「重さは1個800~1000gあります」。コンテナがいっぱいになればかなりの重量だ。

「今年の栽培面積は15aで、6000本の苗を植えました。来年は2倍の30aに広げ、収量アップを目指します」と力強く語る。

箱詰めを前にカリフラワーの葉を短くそろえる関根さん

エコファーマー認定者

関根さんが農業を始めたのは13年前。高校を卒業後、会社勤めをしていたが、病気を機に退職。もともと農家の生まれで、家には父親が使っていた農機具がそろっていたことから、「生活費を得よう」と就農を決意した。

「父は水稲のほかに、ナシやイチゴなどを栽培していました。勤めの合間に手伝いましたが、いざ自分で始めようとしたら、基本的なことを全く知らないことに気付きました」。新聞で県立農林大学校の「ぐんま農業実践学校」のことを知り、野菜入門コースに通った。さらに翌年、野菜専門コースで学び、技術や知識を身に付けていった。

最初に手掛けたのはナス。JAたのふじで栽培を奨励していたことから講習会に参加。以来、関根さんにとってナスは、収入を得る中心作物となった。

現在は県のエコファーマー認定を受け、化学肥料や化学農薬を低減する生産方式で、ナスのほかにブロッコリー、レタス、ハクサイ、オクラ、ニンジンなど10品目以上を、年間を通して栽培している。

収量アップに工夫も

藤岡地域では、露地野菜経営の補完作物として、秋冬どりカリフラワーを推進している。関根さんはJAたのふじカリフラワー研究会に所属し、2年前からカリフラワーの生産を行っている。

「栽培してみて感じたのは、ほかの作物に比べて大変だということです」。冷涼な気候を好むせいか、高温期の育苗が難しいうえ、定植後の活着率が低いといった問題点があり、単位面積あたりの収量が思うように確保できないのだという。しかし、チャレンジ精神が旺盛な関根さんは、簡単にはあきらめない。育苗や定植、追肥の仕方などを工夫し、雑草取りもこまめに行うなど収量アップに努める。

栽培品種は「美星」など3種類で、収穫や出荷作業は妻の留美子さん(66)と二人三脚で2月まで続く。カリフラワーの出荷先は直売所が中心。「おいしかったと声をかけられたときが一番うれしい」と笑顔で語った。


元気な暮らしに役立つ栄養のお話…髙橋 東生 東洋大学食環境科学部健康栄養学科教授 ご飯の代わりに 「カリフラワー」!?

カリフラワーは、アブラナ科アブラナ属の1~2年生草体。キャベツ類の仲間であり、花や蕾などを利用する花菜で、大きな花蕾球を食用とします。地中海東部の原産で、ブロッコリーから分化して、イタリア、フランスの地中海沿岸部で改良が進み野菜として発達しました。花蕾の色によってホワイト、オレンジ、ムラサキの種類があります。日本には明治初年に渡来し“はなやさい”と呼ばれました。第二次世界大戦まではごく局地的に栽培されていましたが、戦後次第に消費が増大しました。

成分特性

農林水産省においても昭和63年産までは、カリフラワーの中にブロッコリーも含めていましたが、緑黄色野菜に分類されたブロッコリーが次第に人気となり、カリフラワーの作付面積も減少してきました。

100g中に含まれている成分をブロッコリーと比較するとカリウムが多く含まれていますが、それ以外の成分についてはブロッコリーの方が多く含まれています。しかしながら、これらの含有量は栽培条件や土壌などの質により大きく変動するのでその点にも留意したいものです。

カリフラワーは、ビタミンCの含有量が多く、トマト(15mg/100g当たり)の5倍以上に相当します。レモンの果汁100gといえばコップ半分程度に相当しますが、それでもビタミンC量は50mg/100gです。一般にタバコを1本吸えば約25mgのビタミンCが破壊されるといわれています。厚生労働省から示されている成人のビタミンCは1日に100mgを推奨量(食事摂取基準2015年版)としています。したがって十分にビタミンCをとっているつもりでも、タバコを4本吸うと摂取したビタミンCが全て破壊されてしまうことになります。そこで慌てて、レモンの果汁をコップ1杯飲むよりもカリフラワーをおいしく食べた方が賢明ですね。また、花蕾の部分よりも白い芯(茎)にビタミンCが多く含まれているので、調理を工夫してなるべく残さず食べるようにしましょう。

調理

食物繊維が少なく軟らかで、穏やかな香りと上品な甘味を持っています。

純白の色もカリフラワーの特徴の一つです。そのままゆでるとアクのためフラボノイドが黄変して色が悪くなるので、酢を加えて白くゆでます。組織がもろく、ゆですぎると崩れやすくなってしまうので、やや硬めにとどめると食感もよくなります。表面や組織保護のため、小麦粉を加えてゆでることもあります。ゆでたものはソースやドレッシングをかけてサラダ、酢の物、あえ物、煮物に、あるいは肉料理、鶏料理の付け合わせに用います。衣を付けて揚げ物にするのも良いです。