目の違和感 ドライアイかも!?

お医者様
群馬大医学部付属病院眼科 戸所 大輔さん

春先は花粉や乾燥をはじめ、紫外線も強くなり、目のトラブルを引き起こしやすい時期。痛みやかゆみ、疲労感などが、実は「ドライアイ」によって発症している可能性がある。涙の質の低下や分泌量が減り、目の潤いがなくなることで、さまざまな不快な症状をもたらす。群馬大医学部附属病院眼科准教授の戸所大輔さんは「加齢や自己免疫疾患だけでなく、生活習慣も影響している」と指摘する。

2種類のドライアイ

涙の質や量に何らかの異常があり、目の違和感が生じていればドライアイです。涙の量は十分あっても蒸発しやすい「蒸発亢進型」と、涙自体の量が少ない「涙液分泌低下型」の大きく2種類に分かれます。蒸発亢進型は、点眼薬や生活習慣の見直しで改善でき、涙液分泌低下型は、長期の治療が必要です。

症状は、痛みやかゆみ、疲労感のほか、目がゴロゴロする、開けていられない、乾きや見づらさ、まぶしさなどさまざま。蒸発亢進型は働き盛りの若い人に多く、涙液分泌低下型は高齢者に多い。40歳以上は6、7割がドライアイだとの報告もあります。

生活習慣の改善

蒸発亢進型は、生活習慣によるところが大きく、年々増加傾向です。パソコンやテレビ、スマートフォンなど長時間画面を見ることで、まばたきの回数が減り、目に大きな負担が掛かります。また、エアコンの風に直接当たることで涙の蒸発、コンタクトレンズによる目の乾き、不規則な生活やストレスなども原因となっています。

涙液に含まれる粘液「ムチン」が、目の表面に涙を乗りやすくしていますが、パソコンやエアコンなどの影響で、ムチンの性質が悪くなり、正常に涙が出ていても蒸発して量が安定しません。目の表面に傷が付き、細胞へのダメージにつながることもあります。ムチンを補充する点眼薬が有効です。

環境改善としては、パソコンやテレビのモニターの位置を低くし、見下ろすことで目の負担を軽減できます。潤いを保つために、まばたきを意識することも重要です。エアコン使用時は空気の入れ替えや加湿器の利用で目の乾燥を防ぎ、コンタクトで症状が出る人は、正しい使用法や素材を見直してください。それでも改善されない場合は眼鏡にした方がいいかもしれません。あとは規則正しい生活を心掛けてください。

眼科受診を

涙液分泌低下型は、蒸発亢進型と異なり、痛みを伴わないこともあり自覚症状が出にくいのが特徴です。角膜が薄くなったり、視力障害が起きたりする可能性もあります。生活習慣に関係なく、涙の量自体が減少しており、継続的な治療が必要で症状をうまくコントロールしていくしかありません。

原因は、加齢だけでなく、涙腺の働きが低下するシェーグレン症候群やリウマチなどの膠原病により、分泌機能が低下することがあります。まずは全身に病気がないか調べることも大事です。

治療としては、涙の量が不足しているため、点眼薬で涙液を補充する方法があります。極端に涙の量が少ない人には、涙を排出する「涙点」をふさぎ、涙を目の表面にとどまらせる治療法「涙点プラグ」が効果的です。

市販の点眼薬に頼ることは要注意です。たくさんの添加物が入っており、状況によってはかえって逆効果になってしまうこともあります。早期発見するためには、単なる疲れ目だろうと自己判断せず、少しでも目の違和感を覚えたらすぐに眼科を受診してください。

◇正常な眼とドライアイの比較

正常な眼とドライアイの比較

検査用の特殊な染色液で緑色に見えます。正常な眼の表面と比べ、ドライアイは傷が付いていることが分かります