自家栽培の「やよいひめ」香る みねさん工房 (太田市)

群馬県育成品種のイチゴ「やよいひめ」の出荷が最盛期を迎えた。太田市新田小金井町の「みねさん工房」では、つる付きイチゴの収穫と、やよいひめを使った季節限定のいちご大福の製造に力が入る。

いちご農家「みねさん工房」

夜明け前の工房に入ると、収穫したてのイチゴの香りと湯気が立ち込めていた。午前4時ごろから、赤飯をふかし、あんこを炊き、餅をこねる作業に取り組む。工房は、農家の峰岸正夫さんと妻の春代さんが2010年、加工部門として立ち上げた。


米、麦、イチゴ、もち米を生産し、もち米を使い大福や赤飯、おはぎ、切り餅などを作っては、市内の道の駅やJAの直売所などに卸している。
「いちご大福」の仕上げは、春代さんが大福にイチゴを入れ、正夫さんが、パック詰めを行う。イチゴが傷つかないよう丁寧な息の合った作業が続く。6時半には配達担当者が出発した。
 春代さんは「あんこやおはぎの作り方は、おばあちゃんや母から教わった農家の家庭の味」と、昔ながらの味や形を大切にする。いちご大福は、よりよい形も探求している。
 製造の次はイチゴの収穫。つる付きで出荷する大ぶりのイチゴは、贈り物としても需要が高く、1日に3回ほど販売店へ納品する。

つる付きが好評な、やよいひめ


 農業一筋50年、60歳を過ぎて始めた農産物の加工品製造だった。事業は農家を引退した高齢者の働く場の創出にもつながった。2人は「初めは値段の付け方も分からなかった」と、試行錯誤を繰り返した頃を振り返り、ほほ笑んだ。
 安定経営が国にも認められ、春代さんは昨年、農林水産省の農山漁村女性活躍表彰「女性起業・新規事業開拓部門」で優良賞を受賞した。
 春代さんは「作りたてを毎日欠かさず届けること」を第一に掲げる。「少しずつ新しいことも覚え、こつこつと日々を積み重ねていきたい」と充実した表情で語った。

≪上毛新聞シャトル2021年2月18日号≫より

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