平和の「織づる」広島へ 桐生の力集結(桐生市)

<上毛新聞シャトル 2021年8月12日掲載より>

世界平和の思いを込め、鶴を折った参加者

「桐生らしい形で平和の願いを届けたい」―。市民が作った折り鶴を広島に届ける「桐生の『織づる』を届けよう!~世界へ羽ばたけ!チャレンジ2021~」(市遺族会主催)のワークショップイベントが、桐生市の織物参考館「紫(ゆかり)」で開かれた。

産官学民が協力する教育プログラム「未来創生塾」の小中学生や桐生市遺族会の会員ら約50人が、世界平和の思いを込めながら折り鶴を作った。
イベントのきっかけは、園田莉菜さん(桐生中央中1年)が、西小6年のときに授業で書いた作文だ。

園田さん(中央中1年)アイデア実現

園田さんは、昨年広島を訪れ、平和を考えることの大切さを感じたという。「桐生らしい形でその思いを多くの人たちに伝えたい」。思いついたアイデアが、桐生織で折り鶴を作り、平和記念公園に寄贈することだった。

平和を願う「桐生の織づる」を考案した園田さん

この思いをつづった作文を知った桐生市遺族会が、実現に向けて動きだした。賛同した森秀織物(同市東)が、桐生・みどりにまたがる鳴神山に自生する「カッコソウ」の柄をあしらった桐生織の生地を提供。永島表具店(同市新宿)も、美しい折り目を付ける特殊な加工を施した。
 桐生の力が集結し、織物の鶴としては国内最大級となる、全長約1.2メートルの「織づる」が完成した。


鶴を折る参加者

子どもたちは、平和への願いを込めながら、織づるにさげる鶴を折り紙で制作した。園田さんは「自分のアイデアがここまでの形になるとは思わなかった。桐生の人の温かさが心にしみました」と感慨深そうだった。

戦時中の生活について語る小池会長

ワークショップに先がけて、当時広島で被爆した子どもたちの体験記の映像が披露された。遺族会会長の小池恵一さん(90)が、戦時中の生活の様子を講演した。
 ワークショップ後、企画に賛同した市民の協力を得て、およそ1カ月で2021羽を達成。その半分が広島に届けられる予定。もう半分は秋に行われる桐生市の戦没者追悼式典で飾られる。

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